up:: Nacarea
下田さん、ゆっくり、ゆっくりと考えていきましょう。物事は多角的に視点を持って、他人が持ったあらゆる考えすらも与え尽くして、もうこれ以上は無いってほどに説明がついてから、一歩踏み出しても遅くないのですよ。
我々に終わりなど無いのですから。
全状況に対処する人工無能の世界。
本当にこれやるとそんなことしてる間に状況が変わってしまって死ぬのだが、フシビにそれはない。だって周囲の時間を途轍もなく遅くしているから。これサーシュでは?
年々遅延は伸びている。そのためただの移動ですら光速に近づいている。なのでこの世界で急ぐことはそもそもできない。楽園といえば楽園。
100年かけても一応の決着を見る限りで、状況が変われば計算はし直される。
人類は進歩しない。今生きている人間にとって、全ては今作られた問題なのだから。
そこから抜け出せるとしたら、それは合理性か必要性だけだ。
人間性は複雑怪奇に他称が入り混じりて変更不能であり変更不要である。
もう一つあるだろう。創造性だ。
あいつならこうする。
真ん中にいる人間たちがナカリアの運営を行っているのは、ここの人間にはそれしかできないから。外の人間の笑顔や幸福のために生きてる。例えば隣の人間の幸福のために生きようにも、隣の人間の存在理由も同じくナカリアの人間への奉仕なので。根本的な奉仕種族、だって自分はもう石の力で満足してるからな。時々石を外に漏らせばみんな幸福になると頭をよぎることもあるが、それを忘れるためにも仕事を続けている。外漏らせばムカデが破壊しに来るし。
その世界の奥には、シルエットから球状に伸びる線、その先にくっついたモニターや逃げながら謎をばらまく怪物などがある。
逃げながら謎をばらまく石みたいなやつを捕獲してるのを、消化してるやつは奪うために消化してる。
質量様の祝福を受けてないので、重力でこっちがぶっ潰れることはない。
消化してるってことは、何かしらの目的があるって事じゃないですか?
それなら、目的を果たせば私達は外に出られるのでは?
ナイフは折られた。会話はできない。
それでも、そこに目的があるなら……
勘違いでも! 何でも!
考えて試すんです! やるしかない!
覚悟しろよォ……コズミックモンスター。
この星が! 一体どれだけの経験をしてきたか!
いつかお前に言ってやる! お前はもう、通り過ぎた問題なんだってな!
一個上から干渉されると目の前の問題が解けない