知るか、知るか、知るものか。
 貴様らの事情など、貴様らの願いなど。
 忘れないでいようだと?またここで会おうだと?
 勝手な記憶をつけて、期待をかけて。一体何を望むのだ。
 私は聞いていない。
 私は見ていない。
 私は関係ない。
 私は、私に、もう何も持たない。
 やめろ、やめろ、これ以上。
 
 私に何も願わないでくれ。
 
 
 
 
 
 「……はぁ、花火」
 「そう、花火!」
 地底の薔薇が咲く。その美しさは、他の花を寄せ付けない。
 「せっかく私達の組織ができるんだからね!ここでひとつ、パーっと宣伝したいじゃないの!」
 「幸いにも花火職人は幻想郷にもいたしね。話を持ちかけたらすぐにオーケーが出たわ」
 「広報担当も既に用意したわよ。大スクープを独占できるなんて記者冥利に尽きます、だってさ。天狗の考えはさっぱりだわ」