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source:: 難病で「脳に閉じ込められた男性」、脳インプラントで家族との会話に成功 - ナゾロジー
しかしALS患者に対して脳に刺し込んだ電極を介して意思疎通するという試みは世界ではじめてであり、技術は完ぺきではありませんでした。
YES・NOなどを示す音階を明白に意思表示できたのは全実験過程135日のうちの107日(8割)のみでした。
また音階を合わせられる調子のいい日であっても、わかりやすい文章を作れた日は107日のうちわずか44日でした。
さらにジョンの単語を作成する能力は低下してきており、現在はほぼYES・NOを答えるのみになっています。
ジョンの言葉が途絶えた原因として研究者たちは電極が刺さっている脳部位が瘢痕(傷跡)化しており、神経信号が微弱になっていることをあげています。
またもう1つの原因として、ジョンの精神状態に変化が起きている可能性もあげられました。
人間の思考には「自発的な目的を示す思考」と「判断のみを行う反射的な思考」が存在します。
精神が脳の中に閉じ込められ、限られた手段でしか意図を伝えられない場合、目的を持った自発的な思考のほとんどは実現しません。
「〇〇を食べたい、〇〇へ行きたい、〇〇に会いたい、〇〇を見たい」と思っても何もできないとなると、人間は自発的な思考を放棄して反応だけを行うようになってしまうと考えられています。