「ふふふふふ……信じてた、私ヴィナのこと信じてたよ……っ、いや待ておい、何してんのお前ちょっとああああ!!私の!私のためのクッキーが!何でつまんでんの!最近クッキーの減りが早いのお前のせいか!げほっげほげほ!くそっ!もう何も信じられない!ああぁぁあ!!」
 動かない大図書館。ちょっと気になって小悪魔たちの動向を覗いてるだけの図書館。
 ところが思ったよりリアル充々してる奴ばかりで何故か嫉妬を始める図書館。何やってんだ、こいつ。
 ちなみに曜日ごとに魔法を使う癖のせいで、遠見は月曜日にしか使わない。本人はあまり自覚してない。
 実家内には入ると知識が叩きつけられる空間がある。ノーレッジ家は代々そこを管理してるとか、むしろノーレッジ家はそこから始まったとか、パチュリーはそれに頼らずに知識を蓄えた生粋の魔女とか、でもある誕生日のときにその空間に入るのがしきたりとかいろいろあるけど今日も図書館は平和。

 彼女にとって、自らは顧みられないのが普通である。それを窘められるのは相当先の話。

 の、はずでしたが。書いてたら常識外れた異常な正常になってしまった。動揺しても一秒以下、高速思考で即元に戻るし、それをおくびにも出さない徹底ぶり。おまけに魔法に精通、知識も豊富何だこいつなろうか?
 どっちかっていうとスレ主人公。

 父親は母親とラブラブです。公衆浴場で遠見を使うのも二人で覗きあいするつもりだったり、ちょっと引く。

ちなみに図書館にヴワルって名前をつける程度の変態。

 書く場所がないのでここに魔法の詳細を書く。こうでもしないと軸がやばい。
 魔法は三ステップに大別される。すなわち魔法式、魔法陣、魔法。
 魔法式とは魔法の骨子。考え方であり思想。正体は単なる情報の塊である。魔法的に言うと神秘。なので頭のメモリに記憶するなり、紙に書くなりしておけばいくらでもストックできる。ただ情報そのものを紙に描くのは多分、人間には無理。
 魔法陣とは式を基に描く固着化したイメージ。exeファイル。情報をぎゅっと詰め込んだ省略記法のこと。だから決まった書き方はない。実は言葉でさえも厳密には魔法陣の一種。普通は此処から始める。結果を溜め込むリザバー。
 魔法陣を描く利点は三つ。
 一、汎用性の向上。魔法式の追加、削除、改変など、細工がやりやすくなる。つまり威力が足りない時に気合を入れると出力が上がる、がしやすい。ただ、それは脆弱性とも呼べるわけで。普通のディゾルブスペルは此処を突いている。そのため普通のディゾルブスペル同士はぶつかり合うと波のように相互すり抜ける。パチュリーのディゾルブスペルは魔法陣を使わない相手を想定して、魔法そのものを消去している。
 二、ストック量の向上。基本脳内にしか置けない魔法式よりも、紙や空中に置ける魔法陣の方が多く魔法がストックできるのは当たり前。
 三、生産性及び保存性の向上。式はそのまま書き記すと膨大な量になる。だから魔法陣にすることで量を削減している。また、式をそのまま後世に伝えるのは常人には不可能なので、みんな魔法陣を書き残している。これが一般に言う魔導書。
 ここまで利点があるなら魔法式だけで魔法を発動するのは意味がなさそうだが、使いに使い古したものは陣を書く方がまどろっこしくて遅くなる。後述の魔力ラインなど。人それを『常識』と呼ぶ。
 無論、そういう『常識』の魔法陣を描くのも真理を探究する魔法使いの役目。
 陣は何に描いても構わないが、一人前の魔法使いは魔力を使って空中に描くのが一般的。その魔力を陣を描く線に変えることにだって式、陣、魔法がいるが、これは極々簡単なのでみんな無陣魔法にしている。だから無陣魔法の発想自体は誰もが持っているのだが、それを全魔法に拡張するというのは匕首一本でどんな生物も殺せるだろ、って言ってるようなもの。実現するなら個々の魔法に合わせて調整が必要。普通そんな地味なことは誰もやらない。叡智を求めるなら新たな魔法覚えた方がいいし。やるのは最初から到達点がとち狂ってるやつか、神秘の持ち主くらいだ。
 魔法は魔法である。何でもはできない万能の力。願いをかなえる道具。陣から生み出される、世界を変えるもの。変えたという結果だけでできているため、本来なら消し飛ばすことはできない。変え直せば消せる。本当に消すならGERか初期大嘘憑きか幻想殺しぐらいは要る。

 ちなみに、これらはパチュリーさんの見解なので間違ってる可能性もさもありなん。パチュリーさん自身も途中まで魔法式は言葉の羅列だと思ってたし。

 魔力は一人一種であるが、それは圧や量が違うだけで、変換すれば他の魔力も使える。エネルギーと同様。

この上で自立魔力とは?