「…だから、お前にはこの仕事を頼みたいのだ」
「うえぇ…高目ちゃん、酔ってるの? これ私に向いてるぅ?」
「仕事を復唱してみろ。それでわかる」
「1.本案件はご内密の依頼です。他者にこの仕事で得た情報を口外することは禁止されています」
「お前は仕事に関しては熱心だ」
「2.本案件は-10℃以下にて行います。防寒対策には十分お気をつけください」
「私は低温下での作業に向いていない」
「3.本案件は食料品を扱う場所での作業です。鮮度を保つために最大限の努力をお願いします」
「主に魚だ。その鮮度となれば覚えがあるだろう」
「この3つしかないから怪しすぎて断りたいよお。お給金もそんな高くないよね?」
「現地の物価が安い」
「そういう比較的な意味じゃないよー」
「ならば不安を並べてみろ。私が考えてやる」
「私の口って軽いよ」
「自信を持て。お前は情報の取捨が出来る。すぐに言わなくなる」
「それはそれで怖いな。防寒対策ったって、今持ってないよ。現地調達?」
「そうなるな。向こうには半日遅れると私から言っておく。それとも私のを借りるか?」
「貸してくれるの? ありがとー。で、最大の問題なんだけどー」
「これ、持ってける?」
「食料品の前に塵を持ち込むな」
「ってなるよねぇ。丸腰不安だなぁ」
「ふむ。ならばもう一人派遣しよう」
「えっ。さっきの条件、私以外にも引っかかるの」
「自惚れだな。一番は当然お前だが、これ自体は誰でも当てはまる。そこから荒事に長ける、私が知っている、仕事を頼めるとなると少ないが、それでも居る。そこから一人出す」
「それ、なんだか私も知ってる人な気がするー」
「お前は私よりも交友が広く、活動範囲が被る。その可能性は大いにあるな」
「今の、名前教えてほしいなって奴なんだけど」
「知っていれば情報を抜かれる可能性がある。こいつは別方面から潜入させる。お前は冷凍倉庫からだ」
「私の丸腰問題は?」
「これだ」
「」