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世界すべてを覆う虫と、それを食らう肉の夢

もはや、地面は見えなかった。

立てど、座れど、地面を覆った虫たちは体を登り、柔らかい部分を一つ、一つと噛みちぎってゆく。
そんな虫を払いのける横で、ドス黒く変色した挽き肉が触れた虫を喰らっていく。時には寄り集まり、柱と化した虫たちが、指のように自在に動く挽肉の塊と正面からぶつかり合う。地鳴りがそこいらに響くと、また一つ肉の間欠泉が生まれ、瞬く間に周りの虫を喰らい尽くす。

嫌が応にも、理解する。
どちらが勝とうと、世界は終わるのだ。

大勢は決している。
地面から噴水のように湧く挽き肉。逃げ惑う虫。
あの引きちぎった裂け目から出る肉は、尽きる事なく。

挽肉が本能のままに生きているかのごとく動く