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貫通糸の使い手

ほんの僅かな、物を繋ぐか細い糸。
それだけだ。
それだけ、でも。
人は殺せる。

永遠に、本当に知ることは叶わない。
この広い世界で、ただ一人。それは、地獄のようにすら思える。ほんの少しだけ届いた先を、ほんの少しだけ透かしてみれば、やはりそこには自分が居る。

それでも諦めず、糸を伸ばし。
頼りなくも繋いだそれが。
やがて私を殺すだろう。

私は、ただ楽しかっただけだった。
色んな思想と一緒に、生きているつもりだった。
でも、そうじゃない。

隣にいるのは、私だ。
この世界は、私の他に居ない。
違う思想を得たところで、それを私が気に入ったのは、その向こうに私がいたからだ。

星にへばり付いたただの染み。
そうさな、そんな言い方だってできたんだ。
だったら、お前に一つ、聞いてやる。

たとえそれが解消できたとして、望んでいた「わからない」を得たとして。

理解できないものを愛せるか?

ようこそ……五番地へ……!
知らないものを識ろう……我々と共に……!

人を救うのだ……誰とも知らぬ未来の人を……
それに我々は含まれるだろうか……?

ああ……分からない……何も……何一つも……!
それこそ堪らない……無上の喜び……!

それを我々は暴く……無下に!
無遠慮に! 理解する!
それは至上の喜び!

歓迎しますわ!