「いやぁぁ! 解いてぇ! 無理無理! あんな枝全部吹き飛ばすの無理ぃ!」
「……悪いわね……私が、回復してれば……そんな無茶、させなかったんだけど……」
「気にしない……で!

「……貴女……仕事が、早いのね……こんなに大きな十字架を、一瞬で……ねえ、修理人。貴女の……かっ、けほっ、えほっ!」
「無理するなよ、生体は専門外だから。……ところで、アイツは厄神よね。どうしてお前たちは災厄に巻き込まれてないんだ?」
「……すー……ふー…………さあ……? 水で……禊がれた、とか……?」
「それならいいんだけど……あんな渦。

「仕事が終わりかと思えば――また、こうなる。おかしいな? 私が十字架を組むまで三分も無かったはずだ。なのにこの損傷度……

「見せてみろ……その強さの、秘密を!」

 一応今の時点、私の方が強いんですが。なんでこの子ここまで上から目線でいられるんだ。

 ああ、でも強いっていうのはフルパワーの話ですね。今は竹水筒を左手に持ちっぱなので実力の3/4くらいしか出せません。まあでもいいんです。私は犬走さんに勝つのが目的でここに誘った《《わけじゃない》》ので。

巨大な厄。推測。不運の幽霊が、より大きな器に吸い寄せられた。

 ところでこれは一般論なんですけど、閉鎖社会で規則を固めるとなれば、必ず一人は規則にガッチガチに縛られた方が出てきますよね。他の規範になるという意味でも、他に規則を教えるという意味でも。
 ところでこれは一般論なんですけど、そういう方って案外ストレス溜まってたりしますよね。でも組織の為とか言ってずっと我慢してて、加えてストレス溜まってることを自覚してなかったりします。何か調子悪いなあと思いながら気合い入れ直してずっと肩肘張ってるんですよ。
 ところでこれは結果論なんですけど。

それはこの幻想郷において、常識となった物質。

「水魔法ッ!!」

 ――魔力である。

その日、幻想郷に第二の聖輦船という噂が流れた。

 この船はかったいので、大剣程度じゃ刺さりません。金属に刺してるようなもんです。そのはずなのに、どうしてそう下向きの剣を支えきれるんですか?

椛は、「それ」が何のためのものか、瞬時に判断した。
 魔法使いを相手にするときに、何度も受けたあの感覚。
 同時に思い起こされる、その後の顛末。
 それら全てのどの瞬間よりも、遥かに濃く粘ついた気配。
 緊張が肌を灼く。

 最悪の事態を回避するため、椛は力の限りに、吠えた。

それに山岳のメインはキャンプや宝探し、小隊組んでのサバゲーといった団体技です。

『進行禁止』

さ、仕事も終わったし。
とっとと地下に帰りましょうかね。

『認識禁止』――解除。

「無論。にとり」
「はいはーい! いやあ、急いでこいつを取ってきて正解だったよ。ぎりぎりだったが先回りできた」

 えっ、三平ファイターでも来れちゃうんですか。もうこの船ガバガバじゃないですか。天狗どころか吸血鬼くらいでも来れちゃうんじゃないですか。いやあいつらは流れ水駄目か。

「さあ、三平ファイター! レスキューフォームに変形だ! 動けないやつはこれに乗りな!」

 皿が大きくなっただけですが、とりあえずここに怪我人を乗せます。

誰だか知らんが、随分ごねてくれたらしい。
私の力、一回だけなら使えるんだ。

 

訳もなく我ら天狗に襲い掛かるなど、不届き千万!
皆の為に、ここで! 私が叩き斬る!

第三地帯、渦潮

ぶっとんで越える

第四地帯、九天の滝合流

「制空権を取って上からチクチク撃ち下ろす」攻撃に対処できません。
 そんなセコい攻撃使うやつがいるんでしょうか。
 そうだね、妖精共ですね。

 つまり、今のまま空を飛べないままだと夜のランダムエンカウントで無駄に体力を削られる羽目になります。

 なおこれに対して幻想郷の人間はどう対処しているのかというと、七割が逃げの一手、二割が

七里長靴や身体強化でどうにかすることもできるんでずが、いかんせん周りの木や壁に行動を制限されてしまうのは辛い。それにもし、何もないだだっ広い平原で戦うことになってしまったら致命的な欠点になります。幻想郷で言うなら太陽の畑か無縁塚、ちょっとズレて白玉楼の庭とかですね。その辺りで戦う予定はないですが、何故か平原で戦う気がするので早めに取って鍛えておきます。

、夜の事故頻度が上がってしまうのです。一日目? あれは研究進んでたし奇襲だったから。だから今取りたいんです。

いや……使い魔であの強さ。
それなら、本体を任せたのは失策だった……

気にするな。貴女達はよくやったわ――生きているんだから。
それなら、もっと強くなれる。

もう休憩の時間よ。
今はゆっくり、体を休めて。何をすべきか考えるんだ。

はいっ!

……さて

……!?

その瞳は金色でありながら、暗く、鈍く、輝いて……

恐れるな!

なぜ、あの二人が敗北したのか……私は! それを知るために来たんだ!

よく考えたら山道を登ることは通知されてるわけで、襲いかかってきたってことは通知が上手く行ってないorそれも修行に組み込まれてるの二択だ

雛ちゃんは幻想郷の出川哲郎ってISYニキが言ってた。

 その失敗の関連上、この後私は船から脱落します。
 しかし『空紅』の最速取得は山岳修行中であるため、ただ脱落してしまうと次の取得は戦闘修行時の運ゲーしかありません。
 そして今日は戦闘修行が入ってないので、必然的に取得が明日になります。

 すると今日の夜が困ります。
 今更ですがこのゲームは空を飛べるのが前提でスペルカードが作られているので、夜の事故頻度が上がってしまうのです。一日目? あれは研究進んでたし奇襲だったから。だから今取りたいんです。
犬走さんに叩きつけます。

その勢いのままカーブを描いて犬走さんに叩きつけます。
 竹水筒を押し当て、手は切らないように。安全第一距離調節。
私がやった山への侵入は確かに怒られる行為ではありますが、こんなガチガチで攻め立ててくるほどの罪ではありません。
 だって誰も怪我させてないんですよ。

 それにそもそも私は一般人です。そこまでされる強さがありません。
 犬走さんも軽く強さを見定めると仰っていました。私は言うなれば侮られる程度に弱く見えるわけです。
 しかし戦闘時に千里眼を使う敵といえば吸血鬼クラスです。もし使っているなら
 どう考えても軽く見定めるときの所業じゃありません。本当は何しに来たんですか、貴女。
そして小さく、ほんの小さく、すすり泣くような声で、言った。

「ぐっ!? 貴様っ、天狗をなんだと……痛っ!」

 水魔法で勢いをつけ、滑り降りてキック。鍵山さんから剥がれたら、さらに札を投げて目を奪います。千里眼というのはあの目も含めて千里眼です。なので、札で目を覆い隠すと、ちょうど彼女の目の前が盲点のように欠けます。

 あとはちょいとつつくだけ。風魔法。

「おっ、お前、おいっ! 何するんだ! 飛ぶ! 吹き飛ぶ!」

 アンド、身体強化。
 ギリギリで縁にしがみつく指を一本一本剥がします。大丈夫でしょ。死にゃしませんよ、天狗ですし。あと飛べるじゃないですか、貴女。

「なるほど……って! 騙されんぞ! 飛んだらお前たちに追いつけなくなるだろう! 意地でもっ、この指は、外さない、ぞ!」

 剥がした指がまた掴み直します。これじゃキリがないですね。というわけで趣向を変えます。開けた隙間に水魔法。

なお、基本以外の身体強化といった魔法に関しては、魔力を打ち込んでオールオッケーとはなりません。急発進からの急停止、それによる体の負荷とか、停止に力を割きすぎて再び急発進しちゃったりとか、考えることが多いからです。

魔力は元々体内にあります。しかし《《魔法は体外で発生》》します。
 体内と体外を繋ぐために口から撃ち出したりとか、そういう仙力や神力じみたことは魔法ではやりません。
 つまり、どんな魔法でも魔力を外に出してるのは間違いないわけです。それなら魔力を弄る手立てはあるはず。

 その考えのもと、走者たちは魔力を自分以外から手に入れる方法を探し始めました。初めに見つかったのは、梱包爆弾。魔力を突っ込めば、

変換の魔法を失敗すると、使った魔力はどこに消えるでしょうか。言うまでもなく霧散し、世界の魔力の一部となります。では霧散させないままにしていたらどうなるでしょうか? 想像のとおり、自分の魔力を持ち運ぶことができるのです。

 しかしこれを使うには、一度外に出さないといけません。外に出すと猛烈な勢いで霧散します。アルコールみたいなものですね。この技術を有効利用できるのは、貯めた魔力が霧散するよりも早く変換できる人だけです。

 私は走り続けた結果これが実用レベルに達したので使っています。使えない人でも使い続けたらそのうち使えるようになります。

 ただし火魔法で温度上げたりとか、風魔法で鎌鼬作ったりなんかは、ちゃんと鍛えて応用レベルに達しないとまともに使えません。

 基本とはいえ、大量の魔力があればその分大量の水が生まれ、大量の水に方向を与えることができます。なお普通は浮遊魔法をセットで覚えないと纏めて撃ち出せません。

そうか、そうだよ、そうですか。
新たな神が出てきて、そんなときに折り良く侵入者です。
何らかの関係が疑われても仕方が無い。
それなら、力を確かめるにせよ、最大限の注意を払うのはおかしい話じゃありません。

いやでもですよ。私の話は伝わってるはずですよね。だって山を借りたのは命蓮寺ですよ? 話が通ってないわけないじゃないですか。

 この魔法、当然水に変える魔力は必要なんですが、実はそれさえクリアすれば量に関係なく方向を与えられます。
 流体である水に対し、いちいち生成した量とか参照して与えるベクトル量の魔力とか

 眼下の羨望の眼差しが痛いです。が、もうそれどころじゃありません。一刻も早く山を出るのです。

 本当なら……本当なら!
 この魔法で船ぶっ飛ばして! 川をショートカットして!
 もうちょっと続けるつもりでしたよ! 川下り修行!
 この修行は! 最後の最後、かけがえのない|経験《起点ロック解除》が待ってますからね!

 でもダメなんです! こんな、何も分からない、得体の知れないモノが居る場所になんていられるか! 私は帰る! こんな修行、とっとと終わらせて! いつものRTAに帰るんだ!!

 三……四……五! 解禁!
 目的は達成しました! 向かうはこのまま、まっすぐ! 大蝦蟇の池まで山土滑ってやんよぉ!

ブン屋は目的を果たしました。その方向、そのスピード、そいつを抱えた状態で《《曲がり角をショートカットすれば》》、疲労した状態でも追いつける。それら全ての条件を満たすタイミングを、大風一つで引き寄せたのです。

「どうだべ。うちの張った結界は機能しとっか?」

そうか、そうですか。もう、疑う余地はない。

船が迫る。

避けられました。
 回し蹴りの勢いのまま後ろに跳ぶことで、素早い回避とカッコ良さが両立されます。
 いやー、やっぱ鍛えてる奴は違うなー、憧れちゃうなー。

さしもの妖怪の山木といえども、同じく妖怪の山土をゴリゴリ削っていけばダメージになります。

……もうちょっとだけ続くので、解説します。
先程の魔力。一体どこから出てきたのか、ですね。

 
これを見た走者たちは考えました。
 『逆に言えば、魔力さえあれば、初期状態のプレイヤーでも高威力の魔法が使えるのではないか?』

 この考えは間違ってません。実際、そこいら中が魔力で充ちてる魔界では単純な魔法の威力が向上します。なお複雑な魔法は暴走する模様。
 ではこちら、幻想郷ではどうでしょうか。そのへんに魔力なんてロクに落ちてません。
 というかそれが普通です。なぜならこの世界、魔力が浮いてると即座に希釈しにかかるからです。この執念に関してはイベント『怠惰な神が辿るべき494の結末と1つの結果』をどうぞ。
 それゆえ、よっぽど遠くまで吸収とか、触媒を分解して魔力化とか、自分の魔力だけを撃ち出して容器に込めるとか、地脈を掴んで引きずり出して変換してとか特別な手法を用いない限りは、外部から使用可能な魔力を取り込む手法はありません。結構いっぱいあるな。

というわけで今回選んだのは三つ目。
 魔力を容器に込めることです。

 しかしこれまた、言うは易く行うは難く。
 実は、『魔力をそのまま撃ち出す魔法』はとてつもなく高度なスキルなのです。RTA中に取得することは現在不可能。
 起点ロックの解除条件の一部は、図書館に連続四週間通いつめ、パチュリー・ノーレッジから直接師事を受け、九つ以上の応用塾練度に達した魔法スキルを用意し、アリス・マーガトロイドから概念を得て……はい無理です。容器に込めるのにこんな魔法使えません。

 しかし走者は諦めません。彼ら彼女らはここで、発想を転換させました。

考えてみてください。魔力は元々体内にあります。しかし魔法は体外で発生します。
 体内と体外を繋ぐために口から撃ち出したりとか、そういう仙力じみたことは魔法ではやりません。
 つまり、《《どんな魔法でも魔力を外に出してるのは間違いない》》わけです。それなら魔力を変換しないこと、つまり魔法を失敗することで、魔力だけを残す事ができるはず。その考えのもと、彼ら彼女らは研究を進めました。

その最後のピースを埋めたのが、魔法キャンセル。
魔法を不完全にキャンセルすることで、魔力だけを残します。

なお、よほど不自然な形で残っているせいなのか、これで作った魔力をそのまま食らうと酔ったような症状を引き起こします。せっかくの魔力をそんな目くらまし程度に使うのは勿体無いので、RTA的にはただの豆知識。
 
 
三……四……五! 解禁!
 目的は達成しました! 向かうはこのまま、まっすぐ! 大蝦蟇の池まで山土滑ってやんよぉ!

 
忍者的なことには何故か逆補正が付きます。
加えて、こういう口から火を吹くスキルも逆補正が付きます。なんで?
だから逆補正に負けないよう、触媒の炭や十分な熟練度を持ってきている、このタイミングじゃないと使えなかったわけですね。

提供であって、見ないことができる。

マストに括られているとダイレクトに揺れが伝わります。

 間違いない……私が、RTAをしている間にっ!
 東方の新作が出ている!!

 ……本当なら……本当なら!
 この魔法で船ぶっ飛ばして! ちょっとだけ川をショートカットして!
 もうちょっと続けるつもりでしたよ! 川下り修行!
 この修行は! 最後の最後、かけがえのない|経験《起点ロック解除》が待ってますからね!

 でもダメなんです! こんな、何も分からない、得体の知れないモノが居る場所になんていられるか! 私は帰る! こんな修行、とっとと終わらせて! いつものRTAに帰るんだ!!

ああ。助かったよ、ネムノ。これで今年の煙草も安泰だ

よっちゃんさん!?

船が迫る。

おい、ネムノ。
お前の結界、あれも止められるか?
何言っとう。ありゃさすがに無理だべ。はっはっは!

さしもの妖怪の山木といえども、同じく妖怪の山土をゴリゴリ削っていけばダメージになります。

どうして……どうして山にいるのか!
全部思い出しましたよ! くそっ!

危険地帯を一つ越え、最後の危険地帯に挑む
本当はこれ、明らかな無茶だが皆がいるので問題ない
ただし事前に話し合いをしないのでマイナスに

危険地帯を二つ越え、直接ゴールに飛び込む
今回はこれ、熟練度を犠牲にゴールイン
足りない分は後で仕込む
飛距離が足りない分は山道をゴリ押す
しかし途中に偽天棚、こころが蹴って路線変更
1へ

全く違う方向へゴーイングマイウェイ
論外
説明責任を果たすのがダルい

氷魔法
金魔法で同じくらい自由度の高い造形は可能だが、そこまで熟達するのも素材を用意するのも大変
そこで氷が使える

そしてそれとは全く関係なく――十字架に磔にされたせいで、船の揺れをずっとダイレクトに受けていた鍵山雛は。

「う――ぷっ」

人知れず、既食物を大地に還していた。

積もり積もった厄を弾幕に変えて撃ち尽くしたため、こっそり山の滅亡フラグが潰れました。

強さを見定めるとか
玉使いの懲らしめとか
後輩のためとか
スカウトとか

微妙にうまく話が伝わってない椛さん。
大天狗との取引は密約だったことが伺えます。

どうせ、新しいアプデが来たのならいつかはルートを試さねばなりません。
今回はそのつもりで進めていきます。

事故確率ではなく事故頻度

 さて、その失敗の内容なんですが……この竹水筒を使っていきます。急流下り直前に水魔法の練習準備をしていたこちらの竹水筒。ちょくちょく水魔法の熟練度を稼いでいたこいつです。
 
 突然ですが問題。こちらの竹水筒、今どれだけの水が入っているでしょうか。ちなみに開始前は1/4程度でした。

 ……

 まあ勿体付ける意味もないので言うと、1/4です。
 はい。水魔法を連打していたのに一切水が増えていません。その理由は当然魔法キャンセル……《《ではありません。》》

 順を追って説明します。Conversionの魔法……もうコアさんが居ないので変換魔法と呼びます。これが出た時にチラッとお話ししましたが、ほとんどの魔法は自分の魔力に変換をかける事で実際の効果を生み出しています。
 では、こうは考えられないでしょうか。《u》実際の効果に対して、逆変換をかければもとの魔力に戻るのでは?《/u》 もしもこれが実現すれば、パラダイムシフトってレベルじゃありません。あらゆる魔法を消去しつつ、かつ自分の魔法に組み直せるのです。この理論は「実現すれば魔界神を越える神となれるだろう」という意味でSuper Shinki Theoryと名付けられ、今なお精力的に研究が続けられている分野です。
 私が使ったのは、その研究で見つけた技です。
 

 この研究は思わぬ結果で幕を閉じます。それは、変換の魔法の失敗から見つかりました。

 変換の魔法を失敗すると、使った魔力はどこに消えるでしょうか。言うまでもなく霧散し、世界の魔力の一部となります。では霧散させないままにしていたらどうなるでしょうか? 想像のとおり、自分の魔力を持ち運ぶことができるのです。

 しかしこれを使うには、一度外に出さないといけません。外に出すと猛烈な勢いで霧散します。アルコールみたいなものですね。この技術を有効利用できるのは、貯めた魔力が霧散するよりも早く変換できる人だけです。

 私は走り続けた結果これが実用レベルに達したので使っています。使えない人でも使い続けたらそのうち使えるようになります。

ああ、魔法キャンセルの正式名称を忘れていましたね。
自分の魔法の変換効率を上げる場を作る魔法スキル。「フィールドメイカー」です。

 ……さて、続けられているという事は、《《未だに成功していない》》という意味です。ご存知の通り、単純に効果に変換をかけても魔力にはなりません。これは変換が魔力を受けて効果を作るように出来ているという至極当然の壁があります。

 ですがどこにでも天才はいるもので、ある人は「効果を魔力に見えるように偽装してしまえばいい」という考えのもと、あるものに目を付けました。修練せずとも変換の速度を上げてくれる魔法素材。すなわち、触媒です。

 触媒は一見、変換の補助をしているだけに見えます。しかし研究により、実は内部で誤り補正のCheck、確認魔法が発動していることが分かりました。この魔法は本来精製された魔力に対して使い、実際に発動する魔法の術式から必要以上量を削ってくれたりする魔法です。なので魔力と同時に別の魔法の術式を与えなければならないレア魔法です。
 思い出してみてください。変換魔法を使う際、いちいち触媒に術式なんて与えていたでしょうか? 変換魔法に付属させていただけだったはずです。
 では触媒は一体どこから術式を得ていたのでしょうか。正解は、完成した魔法そのもの。効果を精製された魔力としつつ、完成した魔法の術式を読み込む。つまり、触媒は変換ではなく再変換していたわけです。そりゃ早くもなるわ、だって答え知ってるんだもん。

 これを知った天才は、触媒の中からこのシステムを抽出して更に研究を進めました。おかしいぞ、魔法の自由度が高いってレベルじゃねえ。なお他の力も鍛えるとこんなレベルの自由度になる模様。

実を言うと、この研究のコアの部分は某天邪鬼の力を使うことで簡単に実現できます。しかしひっくり返せるのは魔力と効果の記述のみ。
 すなわち、「自分の魔力を他人に変化を及ぼす効果に変える」変換の魔法は、
「《《自分に変化を及ぼす効果を他人の魔力に変える》》」逆変換魔法となるのです。このひねくれ具合は間違いなくヤツだ。

 ですがそんな程度で諦めるような人型民ではありません。

 実はこの竹水筒は戦闘失敗のための舐めプの言い訳

 この竹水筒を持ってるのもその失敗の一環です。舐めプしてたら負けました演出ですね。なお本当に舐めプすると瞬殺されるので真面目にやりましょう。

魔力スキル『身体強化』は道中で覚えられるから覚えたスキルではありません。霊力スキル『空紅』を使うのに必要になります。
これだけでは応用できないので、速読を挟み込む事で霊力スキルであることにして使います。

なぜ魔力から霊力が? その秘密はもう一つの熟練度段階、「我流」にあります。
熟練度の三段階を覚えているでしょうか。基礎、応用、殺人。このうち、私は応用を説明する際に派生スキルの名前と使い方がわかるようになる、と言いました。同時に、別に応用にならなくても知ってれば派生スキルが使えることも。
ここで我流が出てきます。我流とは、《u》派生元のスキルを応用にしない《/u》まま、《u》基礎以上の熟練度を貯めた派生スキル《/u》に付く熟練度段階です。要は不正取得みたいなもんですね。用意されてる以上は正道ですが。
これが他の三つと何が違うのでしょう。まず、威力が激しく落ちます。手数も著しく落ちます。効果範囲も目に見えて落ちます。そこのあなた、ただのゴミだと思って帰らないでください。利点はスピードが上がること。日常の動作から素早く出せること。そして何より

一応現時点、私の方が強いんですが。なんでこの子ここまで上から目線でいられるんだ。

 ああ、でも強いっていうのはフルパワーの話ですね。今は竹水筒を左手に持ちっぱなので実力の3/4くらいしか出せません。まあでもいいんです。私は犬走さんに勝つのが目的でここに誘った《《わけじゃない》》ので。

ハーメルンで受けるのはコンスタントな投稿、3000-5000字程度の読みやすさ、世界観を肌で受けさせるような急転直下。自分と同じだ、という親しみを感じる性格。見てて安心する強さ。サクサク進む展開。

覚えていますか。一輪さんは山岳が得意なのです。
なので復活も早いです。
ふ、船の行く先を先読みで……
 暗黒能楽を見る限り短距離のスピードは割とあるみたいだし……

  1. 厄はすべて渦で禊がれている
  2. 厄は弾幕で全て発散している
  3. 厄は未だに雛が持ってる

問題.こころの厄は何処へ?

A. まだ食らってない
B. 船へ
C. そもそも食らってない

1なら渦が危険地帯になり、あとで瑕穢を放り込む理由になる。厄はC。
2なら山がヤバくなり、AかB。Aだと山の厄は危険な領域に。Bだと山滅亡ルート。だってどんどんデカイものに寄り付いてく。
3ならプレイヤーが観測するところでは厄を無視して雛に厄災を齎せる。風神録も含めてぽい。AかBか。

1かつ3? ある程度みそがれ、役は渦へ。その状態の雛をこころが引っ張ってくる。ある程度こころも役を喰らうが、プレイヤーの助力で回避しまくってるとか。そしたら戦闘始まってから大変大ダメージなのでは?

1でみそがれ、こころは余り食らったがプレイヤーの助力で回避し、残りの役は弾幕で発散させる。つまりD. 食らったけど避けた。そのラストで舌噛み。役は変換しきらないと流石に山から蹴り出されそう。となると問題はやはり渦。

「雛さんが傷つくときは雛さんが抱えきれないほどの厄を持っているときです。
逆説的に、雛さんが無傷である限り厄は雛さんに向かい、山に向かう可能性を減らしてくれます。スケープゴート。
というかこうでもないと、閉鎖社会の山が厄神抱え込む理由が分かりません。本当はどういう理由なんでしょうか? 公式は答えてくれない。」

『雛さんは自身の厄を決して喰らいません。』
逆説的に、雛がいる場所、その周辺は厄こそ喰らえど決して滅ばないとも言えます。生かさず殺さず。正邪ちゃんに求められているスキル。
足元が消えたときは自身が厄を食らったと呼べますからね。まあ時間は食うのでRTAとしては敵に変わりありませんが。

「ただし、自分で動いたときの不運は普通に喰らいます。それは運ではなく必然の結果である。風神録でぶん殴られたのはこれ。つまり受動的に生きていれば絶対に不運にならない。植物のように生きれば楽しめる。
なので実はただのお人形してるのが一番平和。山が彼女を引き入れたのも、人里での活動を制限するためだろう。山のちょっと知ってるやつはそう考えています。」

山の上層部は知っています。動かねば妖怪として価値を失い消滅すると。山にとって彼女の消滅は防がねばなりません。山は対月人など幾度か存亡の危機を迎えていますが、それが彼女の厄によって生き延びてきたのではないとどうして言えるのでしょうか?
もしも彼女を制限したならば、それで山が厄と判断されたなら、滅亡することこそが善だと示されてしまったらどうなるだろう?
そんな不安を煽り、自分に対する現状維持を求めておきながら、彼女の周りは今日も厄で波乱万丈。つまるところ、波乱万丈は彼女のせいなのに、その波乱万丈によって生きていられるのは彼女のおかげである可能性。主人公補正か何か? そのせいで山としては結局彼女を放置することに。止まない山DV。まあ一応、おかげで適度な心のハリは生まれるし……技術力も上がるし……にとりとか付き合う理由になるし……
というか、厄運びは人間のためであって山のためでは無いので、山が何を言っても聞きはしない。そりゃ放置するわ。

そんな彼女がここに腰を落ち着けているのは、山にとって果たして不幸だったのか、それとも幸運だったのか。ただ一つ言えるのは、彼女は好きに活動できる今を楽しんでいる。

彼女ごと山が終わりそうなとき、その時は彼女だけが外に弾き出されて不運にも山だけが潰れるのだろう。それを恐れると監禁しそうだしそう考えた山上層もいるが、結局放置。山は本当に彼女を制御しているのだろうか。してるわけねーじゃんできないんだから。

ちなみに周囲が潰れないのは、彼女が明るい性格で周りを味方に見ているから。全員テキ思考だとマジ者のマイナスになり山からもリスク覚悟で蹴り出される。そうじゃないからこそ厄運びも出来るのだろうけれど。

ちなみに紫苑ならこういうややこしい事にならず、諸共容赦なくぶっ潰れる。自分も不幸になるからな。それで生きてたら紫苑の実力だし、実際そういう事が何度もあったから強くなった。

飯綱丸龍が鍵山雛について熱く語るだけ

周囲を生かさず殺さずにするこの厄集めスキルは、巡り巡って鍵山雛自身も生かさず殺さずにするスキルです。

その「自分で動いたとき」という制限を打ち抜き、直接彼女に厄を齎せるプレイヤーはやっぱおかしい。

風神録もプレイヤーだったとしたら、雛自身が不運を食らう経路を持たないことになる。うん、あんま変わらんな。

手首を切って厄を出す厄スプラッシュ

雛さんの厄は船に対しては絶対に作用しません。
だって、船が沈めば雛人形は回収できなくなりますから。

……この描写、厄は相当でかいのでは?
運を常に揺れ動く面のようなものとし、人がその上に立ってるとする。凹めば不運、凸れば幸運とする。
厄はこの面に直接凹みを生じさせるスキル。なので大きければ大きいほど周囲も引っ張られ被害が及ぶ。また弱まりながらも周囲に伝播していく。
鍵山雛はその中で足元に振動吸収マットが引いてあるイメージ。吸収したものはまた周囲の凹みへと還元される。
ただまあ、雛は単なる妖怪だし吸収還元にも限界はある。なので凹みすぎれば雛自身も持ってかれる。時たまガチ目に”決して”不幸にならないタイプがいるが。その時は自分で選んだ結果での不幸以外くらわなくなる。

仮に大きな役があって、雛への厄はその役に引っ張られたものだとしたら。

雛は
人間のために厄を集めている。
その厄の力で動いている。

厄に触れると不幸になる。
彼女自身は不幸にならない。

厄により周りを巻き込む。
けれど周りが消えることは彼女にとっての厄なので、そうなることはない。
……傷つくのはいいんですか?
山がそう対応してきた? 傷つくことで成長する妖怪ばっか当ててきた? そう。

周り全員敵思考だったら、即刻山は蹴り出してる。
厄が居場所を殺し尽くすまで止まない。

不幸にならないが、プレイヤー周りは別。
この制限ぶち抜いて彼女を不幸にできる。

ちなみに、彼女を幸福にするなら誰でもできる。
なんだこの殺したくなる相手は?

  1. 厄はすべて渦で禊がれている
  2. 厄は弾幕で全て発散している
  3. 厄は未だに雛が持ってる

問題.こころの厄は何処へ?

A. まだ食らってない
B. 船へ
C. そもそも食らってない
D. すでに耐えた

プレイヤーは努力次第で厄を貫通できます。かわし続ければいいだけです。
また、雛さん自身は特に幸運の女神とかではないので普通にダメージが通ります。

厄は厄神の力になるので、タプタプの厄神は前線どころか木を一掃できます。
だからといってぞんざいに扱えば厄るんですが、今誰かが厄ると船が座礁し厄神自身も厄るので誰も厄らない、という危うい隙間を縫った十字架ルート。

なんでこころはこんなに強いんですか?
→ラスボスやぞ

なんでこころは二人投げ飛ばせるんですか?
→ラスボスやぞ

なんでこころは雛を助けたあとに船に帰ってこれたんですか?
→アンカーの鎖を走ってきたぞ
 ラスワ見る限り短距離ならそれなりに早いという自己解釈

なんで響子は甲板ぶち抜いて軽傷なんですか?
→山彦は現象

この尊大な物言い、該当者が多すぎるんですよね。
一応大天狗さんのつもりです。

「ぬぅぅぅん!!」(超小音)

頭のリボンの端を掠め、アンカーが突き刺さる。それに驚いていると、急に体が水から空中へ飛び出し、アンカーの鎖をなぞって船へ向かう。

 それが誰かに掴まれたからだと気づいたのは、ずっと後の話。アンカーの刺さった木、そこから伸びる鎖が引っかかるであろう木、その全てが自分の《《居た》》場所と逆に流れ、《《鎖が通る分だけの穴が貫かれている》》と認識した頃の話だった。