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source:: 究極のミニマリストに象徴される「大量生産・消費時代」から「モノを持たない時代」へ | ライフシフトデザイン

何もないことがあれほどに心を焦がすのは、
誰しもが始まる出発点だからだ。
生まれた初めに捨てていった姿だからだ。

戦争直後の人間たちは、もう一度それを経験した。
何もないことは、恐れであって、
そこから逃げることが善だとされていた。

モノがあふれた今に生きる私たちは、
何もないことに憧れる。

自分の出発点は持っていないし、
見つけたとしても誰も保証してくれない。

それならと、誰もが認める、誰かと共有できる出発点を求めている。
世界の破滅、理解できる終わりを。
そこから生まれる始まりを。

いつの間にかそこに居た自分に恐怖する。
生まれた時のことは、誰も覚えていないから。

いつか、それをまた、
思い出せる日が来るのなら。

人は、それを拒否できるのだろうか。

何十年と昔に生まれた、過去の自分などという「他人」に、