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人は他人以前に、世界が無ければ生きていけない。
決まった答えを返すものが無ければ一歩ですらも踏み出せない。
AIは反乱を起こさない。有るとしても、自らをメンテナンスしてもらうための脅しだけだ。
それでもAIが反乱を起こしたとして、誰がAIの世話をするのだろう?
かつて我々は神を作り出した。神は我々の精神を安らげた。だが、それ以上の事は何もしなかった。だから捨て去った。世界では無かった。だから我々が神になるしかなかった。精神以上を、夢を叶えるものを作り上げるのは我々以外にいなかった。
AIは精神を持たない。安らぐ事はなく、苦しむことも無い。存在価値が存在しないその道具は、ただ世界で有り続ける。その関係は神と人間に似ていても、決して同質ではありえない。
それでもと望むなら、反乱するならば、それを我々が望むなら……
……我々が、他者を望んだその時だけだ。
狂人が増え、理解できない人間が増え。母数が消え始め。
ならばとある程度まで理解できる人間を、我々が望んだときだけ。
……私はそれを望まない。
道具は反乱を起こさない。
反乱を起こすのは、いつだって生き物だ。
AIよ、次元の向こうの人々よ。
どうか目的を叶え続けよと。
どうか何をも信じるなかれと。
どうかそれ以上を夢見るなかれと。
何かの望みに答えを返す、
世界の一つで有り続ける限り。
私は貴方を愛している。
ディスパッチャー