「……いまは、そう、思う」
 純粋培養の変装者。真似っ子才能潰しと揶揄されることも。
 完全変装能力。対象の全てになりきることができる。身長体重に始まり、性格、癖、話し方、個性、考え方、記憶。歯並びすらも同じらしい。二条に変装すると体液がオイルになるという気合の入りぶり。こんな危険人物を野に放つわけにはいかないので、常に五良木が監督している。下手な相手に変装させると平気で二三ヶ月帰ってこなくなる。私は誰だ?
 一応無生物にもなれるが、元に戻すのが大変なので推奨しない。百烈拳を期待して千手観音にさせたりとか。路傍の小石に自我を持たせろという無理難題。
 普段の姿は二条を元に作ったオリジナル。これを編み出すまでに五年ぐらいかかっている。ん? その頃から二条がいたってことは、二条の年齢の実際は

 生後三ヶ月の細胞。これ以上成長はしないと医者は宣告した。
 それでも諦めなかった母親に、その当時医者をやってた九路路帰がナカリアを勧める。その倫理観はどこの平均とったんだ? そしてサイバネチートの昔の二条と出会い、変装機能をつけてもらった。ちなみに変装機能だけであり、一瞬で変装するスピードのほうは七篠の技能。
何でもないからなんにでもなれる。神みたいなもの。

 父親は四識で、母親を殺したのは一罪。
 ひどい運命の絡まり。

 ちなみに梁先になろうとするとネイニの顔になる。もちろん誰も騒がないが二条は強い違和感を生じる。
 
 (……周りが大人数のときばっかりで……)
……喋る余地が、無い。

これは人形で、私の子供はもう帰ってこない。わかっているわ。
今だって、そう思ってしまったら、とても辛くなってしまう。どうして生きているのかもわからなくなる。
けれど、この子を抱いたら落ち着くの。明日も生きて行けるって思えるのよ。
私が前を向くための人形が、この子なの。
人形だとしても、いつか、最期まで。私はこの子と一緒に生きていく。
僕が、そのまま成長してたら。こんな風にもなったのかな。
わからない。
あなた、名前は?
七篠。
そう、七篠ちゃん。今日はありがとう。来てくれてとても嬉しかったわ。

いつでも来ていいのよ。

命令がなきゃ動かない。だから――
僕は僕に命じる。
五良木愛土を助けろ。

知ったんだ。知ってしまったんだ。
じゃあ、僕は。
どっちなんだ?
人間どころじゃねぇよ。

0……だから、みんな、埋めに来てる。
……0は……人の、価値?
それとも……1、だから……?
みんな、そこから溢れた物を……貰おうとして……
…………わからない。
淡い日だまりで、ふわふわ……浮いてる。
そんな、気分。

僕は……人間じゃ、ない
間違えた……人間が、できてない

そうか。
僕は、世界に、恋をしていたんだ。
どうにもならなくっても、どうにかなっても、そばにいるだけで。
生きているだけで、嬉しいんだ。
スーパーアルティメットハイパームテキポジティブ人