俺はきっと、迂闊だったんだろう。
今更考えても、何の意味も無いけど。
「ギャロロロロロロ!!!」
「ぁぁぁぁあああああああああ!!!!! 皆無事かァァァアア!!!」
「イツラギっ! 私は大丈夫です! でもっ、ツノハシさんが……!」
ただ、明日から。
もっと考えて生きようかなって思えるだけだ。
「らいどおーん」
「オイィ!! 角端お前! 二条の肩乗ってねーでちゃんと走れよォォ!!」
「乗り心地いかがですか!」
「バスの後部座席くらいかな」
「お前それでいいの!?」
そうさ、それに意味なんてない。
特にここ、『ナカリア』じゃあ。
「ツノハシさんの一人や千人は誤差です! むしろ慣性的にお得っ!」
「そういう事だよ。いっちーは自分のことだけ考えなもしー」
「ギュルロロロロロロ!!!!」
「うぇぇぇぇ!!!!」
生きてるだけで、丸儲けだ――
四月一日。
早起きして入学会場を派手に飾り付けてやろうという俺の心意気が、大人の安定志向にへし折られた日の事だ。
仕方がないから日課の