- コンサルタント、姿月依織の情報収集
- ウェイン・イスタール・ペトゥの相談
「いらっしゃいませ」
「何にしましょうか」
「……井戸水。ストレートで」
「かしこまりました」
「ふあ……馴染んでるなあ、あんた……」
「ことこうなってしまえば、私も覚悟が決まるものです。一刻も早い解決に協力いたしましょう」
「……助かるよ。じゃあ、ホットケーキ追加で」
「500円です」
「あ、はい……」
「さて、もういっぺん起こしに行くか」
「……おはよう」
「あ、おはよう。そっちも起きたとこか……!?」
「ぜんっぜん。こんなに見たことない状況なのよ、研究しない時間が惜しい」
「仮眠の時間を取った意味!」
「今後の方針決め、実験計画のリストアップ、生活空間の区画決めetc。そのための会議で、そのための準備で、そのための仮眠。だったわね」
「そこまで正確にわかっててどうして浪費できるんだい!?」
「睡眠は情報の統合操作。何もしないで眠るなんてもったいないわ」
「ここじゃないよもったいない精神!」
「どうぞ。無水カフェイン20000です」
「ありがとう。殺す気?」
「……まぁ、考えがあって、会議に支障が出ないなら極論いいけど……大丈夫なのか?」
「判断力が鈍ってる」
「クリティカルに駄目!」
「その分の正確な判断は任せた。私は反射で質疑応答するから」
「見たことない状況をどうやって反応する気だよ」
「現段階で分かることだけ説明する。だから早速始めましょう、このままだと私は三時間後に深い眠りにつく」
「言いたいことはわかるが、君が招いた事態だからどうにも複雑だ」
「それでも君とならできる気がしてくるのが恐ろしいよ」
「煽り?」
「そうだよ! 次はちゃんと寝てもらうからな!」
「じゃあ今回で終わらせるわ。マスター、ここまでのレポートは出来てるかしら」
「7割ほどです」
「なら貴方が読みなさい、五良木。読みながら校正かければちょうどいいでしょ」
「」
「会議の目的は正しい答えを出すことだよ!? 早く終わることじゃないよ!?」
「反射で答えられないなら、そもそもが準備不足よ。それと、あと三時間で限界寝落ちするから。とっとと始めましょう」
「……時々、君が羨ましくなるよ……」
「……発言の筋は通してくれよ?
任せなさい。一秒以下で即レスよ
「……おう!」
今回は休息の方を偏重してほしかったよ。というか、起きてたなら返事をくれても良かったじゃないか」
「」
番長と中央を繋ぐための使者ポジ……は前回二条がやってたわ
八棲會と同等の力を持ち、宗教が絡まない他番地またぎの小勢力
目的は…情報と宗教以外で人が集まることある?
フシビにある極大図書保管室の解放。禁書庫のカギ(落とし物)(合鍵400本目)はこいつの。
禁書庫72種のトラップを一つずつ外すことにより、極大図書保管室にアクセスするというのが目的。システム上戦闘に特化した人間が集まりやすく、また解放すれば研究が進むので参加している人間も多い。禁書庫(エロ本)を先に開けてカムフラするのが魔法時代らしいというか。
なお封印されている理由は、ソア時代の国の民度。
勝手に魔法を使って本を破壊しようとする奴がごまんといたので、対抗してどんどん強くした結果。おまけに時間が経ったのとムカデで解除に必要な器具や概念や魔法が失伝しているので難易度ルナティック。完全にオーパーツ。
魔法に頼らず何とかする、という機運がソアのせいで高まっていた時期でもあるのでソアが来たら一発開錠というわけでもない。KOWでも無理。歴史が長すぎてマトモに情報が出てこないとかいう罠。
もちろんこんな簡単に本を追加できない場所を普段使いできるわけもなく、ちゃんと外向けに写本を出している。全部ムカデに食われたが。
同じ目的を持つ同士とともにグループ『鳩』を結成している。
これは五番地のイヴとあわせ、イハトヴになるような命名。活動本拠地が五番にあるから。
21式転化罠。砂騒
……ソアの国にあった禁書庫がなんでナカリアの中にあるんだ?
ソアの国がナカリアそのものなら、ソアが食われている時点でナカリアが襲われていることになる。となるとナカリアはムカデに補足された状態で逃げられる足があることになる。
もともと勝ちようがないから逃げるために作られた宇宙船。納得はできる。でも目星をつけてしまったなら、同じ星に帰ってきていると知られてしまったら……本編の時間軸、決着を付けないと執念で食われて滅びる。樫名ァ! 色々言って戦いから遠ざけてる場合じゃねぇぞォ!
土の力を入れて育て、それを収穫して一人で戦うつもりだった説。
でも木を屠る木屠名とかいうだいぶヤベーのいるんだけど。
きっと一人では勝てなかった。だから、関係性を作ることを願って送り出した。
自分には育てられなかった。自分の力がどうなっても、自分には止められなかった。
(梛名がちゃんとしてれば堂々教えたが、まあ、うん)
戦闘が必要な時代に、土と木が非戦闘員という痛手
互いを高め合うようにできてるので一つ抜けるとつらい
それでも金と火は強くなった、何で……?
ちょうど強くなるための種が土と木のとこなんですけどなんで……?
ストッパーはそれぞれ火と水だから、ここが非戦闘員だからって話ならわかるが。
ちなみに土と木がストッパーしてるのは水と土。水がバグった結果火のストップを完全に辞めて成長。わかる。
金は……火と会わせなければ、まぁ……? むしろストッパーを打ち砕く反抗心で強くなったフシある?
これむしろ相生は特殊進化用では? 土が金を暴走させたのも見るにありうる。そういえば下層に行ってから金としか撃ち合いしてねぇ。
火が木屠名であるのも、特殊進化を退けるため? いやこいつ確か犭貪を殺す為に居たような……?
犭貪は伝承通りにムカデを撃ち殺す為に必要。でもその伝承、当たり前だけど検証一回もされてないぞ。
木が実は一番バグってた説。柱間を思い出すのでだめです。こいつは皆に名前を授けるだけのお飾りだよ。一番人間できてるのはそう。
木屠名はやっぱりバグ進化を退けるためだけではないか。
犭貪のシステムは邪魔だから取り払って良くないか。
でも取り払うと麒麟単体で勝てって話になるぞ。
現時点土と木が非戦闘なので、金と火のバグは起きない。
水と土は通常進化ができない。水は成功したが、虚弱な土がバグ進化したら絶対止められない……あれ? 土が自分を抑えられないの、このせいじゃないか?
火がそれを支えるために強くなるぜってすればするほどバグる。土は水レベルのポテンシャルを持つことになる。そんなポテンシャルが金にバグ進化で伝われば……
支えるために、信頼できる強さを得る、そのために木屠だというならバグ進化の仕組みを火が理解していることになる。なら土がやばい理由も察するはずだが。知らないはずなら木屠の意味が分からない。誰だ名付け親。そろそろ根本取って楡に戻る気がしてきた。
木屠が犭貪のためなら、目下の候補は木。けど本編で木が普通に働いているのが疑問。多くを望めと言うにはあまりに小市民。この矛盾は伝承からひと悶着あって土、木、火が抜けてきた説でなんとかなる。
金は……その、もうちょいやり方あっただろ……いや土からとにかく離す必要あったから。その頃の金は全然強くないし。でもそれなら火が連れて出ていっても良かったんじゃないスかね。でもそれなら九路路岐と合わなくなる。
他組織との絡みでややこしくなってる説。今居るのは鳩、サーシュ、八棲會、ラヴィッカ、断継、アーシャ……アルティアまで届きそうな組織いねぇ。艇教上位層がちょっと知ってそう。船を起動してアルティアにという教義。
艇教上位層、アルティアを下見。最終的に皆連れて行く場所だからな、下見は大事だよな。
そこで金が落ちてくる。……この流れなら艇教の輸送業者をクロロギがしてたほうが自然。けどそれなら昔の職場があるわけで、上層にクロロギを戻すという願いのそもそもが破綻する。
他の宗教トップもいけ。ぎゅうぎゅうの競り合いの果て、上層の運転手クロロギに任せられる。
新たな関係性を見出し続けた先で、別の世界を恋しく。
「今後の方針決め、実験計画のリストアップ、生活空間の区画決めetc。そのための会議で、そのための仮眠。そうだったわね」
「それを正確にわかっててどうして浪費できるんだい!?」
「着地点のない会議程、馬鹿らしい時間は無いわ。はい、データ」
「えっ。
「というか、不思議なものね。あなたも研究者の端くれでしょう? とにかくまずは情報を集める発想にならないのかしら」
「確かに端くれだけど、俺はその前に五番長なんだよ。君たち五番の研究者が、のびのび研究できるようにサポートする役だ」
「その後に五番長、だと思ってたわ」
「……よし、目が覚めた。今は何時だっけ」
「時計はあちらです」
「あ、はい。少し遅れくらいか。ちゃんと帰ってくればいいけど」
「調査員の方ですか」
「ああ。仮眠前に見送ったあいつだ。……帰ってこないのは、調査がノッてるせいだと信じたいな」
それはなんの前触れもなかった。
いつも通りに店を出て、いつも通りに仕事をする。そのルーティーンは今日、ほんの少しだけ歪められた。
代わり映えしない、店の出入り口。
それが今では、人を食らう怪物の口のように思えた。
「仕込みでも見ながら、ゆるゆる出勤準備しようかなって思ってたら……マスターがこの世の終わりみたいな顔してたから」
「雇ったばかりのホール担当が店を出た瞬間に消滅すれば、誰でもこうなると思います」
「
「質問ですが、あなたがお待ちしているのは仮眠前に送り出していた彼女ですよね」
「ああ。
「愚問ですが、あなたは信じているのですか。彼女が本当に帰還すると」
「……」
「わずか数時間で、『何か』が外に満ちた。触れれば即座に人を消滅させる、不可視の『何か』。失礼ですが、とても無事であるとは」
「まあ、
疑問だったのですが、どうやって帰ってくるのですか?
不可視、即発動、膨張中の『何か』がある場所です。
「あいつなら大丈夫なんだよ。俺は無理だけど、あいつはいける。
「神妙な面持ちですな」
「そうか? そりゃきっと、今日が歴史に残る日だからだな」
「それは僥倖。歴史書であなたの名を見るのが楽しみです」
「俺より調査員の名前を残してほしいもんだ。……慣れないことさせたし、アイツになんか奢るかね」
「どうぞ、井戸水です」
「ありがとう」
「どうぞ、そのコップです」
「ありが……いやじゃあ最初の水どうやって出したの!?」
「どうも、調査員ですー」
「誰っ!? ……なんだ、君か。無事に帰ってきて何よりだよ」
「む。うんうん、むやみに名前を出さない。その調子で頼むよー」
「? あれ、もしかして相当な厄ネタ拾ってきた?」
「そうだねー。できれば全世界一斉公開したい。
さすが五番長だねー。じゃあ基本情報はいらないか」
「えっ。えっ、おぉおい!? 今何捨てた!? なんで捨てた!?」
「ふー、遠路遥々で疲れたよー。マスター、水ください」
「どうぞ。井戸水です」
「ありがとー」
「がっ……くっ……! ……実は、君が帰ってきたことを祝おうと思ってね。奢られたいものを聞かせてほしい」
「へー? じゃあ、五番長さんが食べたいの」
「……ピザある?」
「ボスカイオーラがございます」
「じゃあ、それを」
「おっきいの一枚で」
「かしこまりました」
「食べる量が違うから、別々にしようと思ったんだけど」
「一枚を切り分けるほうが合理だよー。はい、ピザカッター」
「どこから出したの……?」
「いつでも持ってるの、ってね」
「配膳は20分前後になります」
「じゃー、ピザが焼けるまでに発表しちゃおーか」
「……それ、あの紙捨てたから間に合ってるわけじゃないよね」
「
「君の手を離れて物質の向こう側に行ったからね!」
「原理の部分だけど」
「一番重要なとこ!」
「えー? 五番長さん、あなた達は中央開発司令部……『壁』の一員。要するに役所勤めでしょ。大切なのは原理より対処じゃない」
「再発防止に原理がいるんだよぉ! じゃなきゃ実験も考察もできないじゃん! どーすんだこの紙切れとインク染みのセット!?」
「えー。じゃ、明日中央宛てに書き直しとくよ。あなたには必要ないみたいだし、なら直に実験部が良いよね。それでいい?」
「……なんだ、リカバリ出来るのか……良かった。じゃあ、それで頼むよ」
「
瞬間移動には、法則がある。
触れたものを向こう側へ。だが、それで洪水が起きた事例はない。移動させるのは人間だけ。
加えていくつかの試験の結果、『言語能力、またはそれに準ずるもの』を有する物体を移動させることがわかった。
この制限は、瞬間移動の制御のために存在すると考えられる。すなわち――
「――この物質は、『言葉で指定した場所に接触者を飛ばす』性質を持つのでした。よーし、発表終わり!」
「……イメージとしては、『物質の表面全てが目で』『その目に見える光景のうち、飛びたい場所を言葉で選べる』ってことかな」
「そうだねー。だから世界全部覆われちゃった今は」
「実質、この物質があらゆる場所への輸送路になる。なるほど、名前を伏せるわけだ」
「ヤバイよね。〇〇の居る場所、って言うだけで飛べる可能性が出るんだもの」
「けど、その対処に別名義を使うのは意味があるのか? 偽名でも、役職名でも、個人を指しているなら結局飛べそうだけど」
「あったよー。確率は治験の事故死より低くなった」
「全世界の人間が一斉に使う物に対して、それはあまり
Rapid Energy and Matter Replication Ontological Field
迅速にエネルギーと物質を複製する存在論的フィールド
迅速エネルギー・物質複製存在論的フィールド
remrof
「そーだよー。〇〇の居る場所、って言うだけで飛べる可能性があるの。鬼ヤバでしょ?」
「……ちょっと待ってくれ。それだと、例えばコードネームで呼び合っても……そのコードネームの家、とかで行けちゃうんじゃないか」
「あー、今のとこはその報告来てないよ。ここは〇〇の家だ、っていう情報の更新に条件があるんじゃないかな。仮説だけどー」
「仮説かぁ。……まぁ、折角だ。この五番長、実証に手を貸そう」
「おぉー。さすが大体何でも処理してくれる番長」
「何その微生物みたいな称号」
「残業番長ってのもあるよ」
「
「対策は……やっぱりエアロックかなー」
なんだ、前とあまり変わらないな」
「いや変わるでしょー。これ、電波も飛ばしちゃうもん。おかげでそこらに関係ない電波がヒュンヒュン飛んでる。しばらくは有線ネットしか使えないねー」
「……ちょ、ちょっと待って。じゃあ、電波に言語能力類があるって、この物質はそう判断してるのか?」
「そうなるねー。まー、単純な電波に適用、人体に適用、なのにその他哺乳類は規格外ってどういうこったって感じだけど」
「うーん……これからの研究に期待だな。よし、ありがとう。それじゃこのデータは中央に……俺が徒歩で送るよ!」
電波が移動するなら、水も移動するわけで、海面上昇しちゃうのでは
地球陸地に触れたら地球を移動させてしまうはず
なら電波は入る? 水も入る、ヒトだけ通さない
だがそれならAIも弾くのは、ハードで弾けばいいか
なら哺乳類とか……だから言語を操れると指定したわけだが、
しかしクジラとかがコミュとってるらしいし……やっぱり直指定人間では?
脳の複雑性? 人外でも幻くらい見るよな。
電波そのものに意思がやどりうるのか。
入出力があればなんとかなりそう
よく考えればこの世界、魂だけで活動してる辺座神とかいう実例がある。
これの正体が電波的ななにかならありえなくもない。
……この物質が見えるということは、光は通さないはず。
あるいはあらゆる場所の光を通すせいで、いろいろに輝いている?
しかしそれなら宇宙向き、太陽の光が一番多くなり非常に眩しいだけのものになるはず。
というか言語がないとテレポしない。フラクトライトになる。
じゃこれただ表面が輝いてるだけか。なにそれこっわ。
言語を使える存在なら何でもいいので、鯱が飛んでくる可能性はある。
意味存在
触れた個体から時間を逆算、直近で使用した数秒分の「意味」を取る
言外であっても問題ない、例えばハンドサインでも
何も言わなくても思考がある以上は飛ぶ
逆に言うと、意味を取れないものをスルー
十原の研究の元ネタ、膨大な過去の意味から計算している
このため同音異義語を間違えることはあまり無い
どっちとも取れる場合はどっちも取る
意味がない言葉とかなら、その音の雰囲気で飛ぶ
光や電波自体も意味があるだろうが、意味存在と相互作用していないものは意味のないものとして処理する
視覚に入ったりしただけでもアウト、「居心地の良さ」なども意味として処理する
目を閉じ耳を塞いでも、それで生まれる「暗闇」が処理されてしまうためむしろノイズ
というか下手すると永遠に暗闇に入ることになる
飛ぶたびに存在の一部を分解して処理、運営エネルギーにする
このため通り続けると死ぬ
対抗策は人間よりも大質量の物体を持ち込むこと。つまり鉛玉。
若干移動に制限がかかってしまうが、命には代えられぬ。
この運営エネルギーが溜まっていったものが、物質を汚して外を見えなくしている
というか今までが見えなさすぎた
実際はそのように世界を改変している
言葉で示される場所へ行くのでなく、人を含めてそこを作り出す
そして周囲も合わせて改変する
というか一撃目でそうなんだって思った研究者のせいで、物質自体も改変され言葉で転送する物質になった
個体の意味に合わせて世界を変革する、意識平滑化装置
使い続けると全員が全員ある対象に対して「正しい」知識を得られる。
この変革に電気がついていけないため、オンラインゲームもメールもズレて使い物にならない
宛名も無茶苦茶(改変前世界の名前になるため)
そのせいでここでは八階堂が引きこもり、クロロギが情報を萃めている
八階堂は改変に取り残されるため、逆に超ハイペースで変化を続けているように見える
高目とクロロギの関係が壊れそうなものだが……
つじつま合わせは最小限のはず。バーは常にあるし。
……そういやこのバー、「ナカリアに関連する人間が通ると高確率で辿り着く」んじゃなかったか。
それが話の核心だから、いろんなやつが来るんだし。
ナカリア市民のミームに刻まれたものを何処かに刻んどけばいいが、あまり普遍的すぎると他の店と出現率が変わらなくなる。
ナカリアの核心といえばフシビ。あるいはムカデ。
クライシアだけでいいなら論文だが、それなら自宅が一番強い。
AIを寄せるならAttention is all you need貼っときゃ来る。
艇教が一番?
艇教張り紙と、フシビマークと、ムカデマーク貼ればみんな来るでしょ。
最終的に
「追試はは後々
「
「語数は?」
「一語ですね。二語指定すると連結されて一語になります」
「存在しない言葉を指定すると?」
「何も指定しないのと同じですね。ランダムにどっか行きます」
「同音異義語はどうだ」
「発話時に考えていた方になるみたいです。なので、知らない単語を知らないままに……というのは無理ですね。存在しない、というかイメージできない言葉としてランダムになります」
「おいしー。火の通り方が好みー」
「うん、いいね。重くない」
「うっかりお腹いっぱいになりそー。んー、じゃそろそろ話しちゃお」
「待ってたよ。それで、さっき捨てた部分はいいのか」
「なくても分かるし、なんなら分かりやすいかもねー。とりま始めるよ」
「発表でそんなのある?」
「最後にひとつ」
「指定しないとランダムって話だが……そのランダムに偏りはないのか?」
ところでマスター、今日のオススメは?」
「そうですね。冷やし茄子や胡瓜などどうでしょう」
「……いや、考えすぎだな。奢るものだから、もう少し豪華な感じで」
「アワビの踊り焼き」
「
デザートでいこう。
「なるほど。では、桃と金木犀のシロップにつけた肉を」
「クソっ読まれてやがる」
「
……あの、マスター。隣の人のと間違えてない?」
「いえ。それがご注文の品でございます」
「いやいやいや紅だよ紅、ワインだよこれもう。どうしたの? 富栄養化?」
「……そちらのお客様の仕業でございます」
「や、ただいま」
「oh…」
「ずいぶんな嗚咽ね。せっかく斥候が帰ってきたのに」
「oh…かえり」
「溜めるわね。体に毒よ」
「……なら聞くけど、何でこんな営業妨害してるのさ」
「?」
「なぜ水を赤色にしたのさ」
「ああ。水を赤くしたら飲み物全部が赤くなるわ」
「そうだね」
「そしたら屈強な男も、妖艶な女もあたしが赤くした水を飲むわ」
「妙に偏見だけど。それで」
「なんか興奮してくる」
「そういうとこだよ」
「まあ、いいや。君の事だ、
ネタばらしするのはあなたにだけよ。
君、バレなきゃ盗撮してもいいって思ってる?
君、生き返るなら殺してもいいって思ってる?
履歴書に死亡済みって書く気持ちにもなってくれよ
責任を分離するよ。君が五体無事に帰ってきてくれたのはとても嬉しい。
「……成果を聞こう。やるべき事からまとめるんだ。とても大切でいつもやっている事だ」
「いいわ。そこの椅子に座ってちょうだい。準備班」
「合図出たぞ! カーテン閉めろ!」
「プロジェクター起動! 明るさよし、色の濃さよし! いつでもよし!」
「電子レジュメ共有設定! 受け取りたい方、『Tablet 32A』を認可願います!」
「……ここまで根回せて、どうして……そう……成果を聞こう」
「言われずとも。よし、あとは私がやるわ。総員席につけ」
「うおおお! 番長の右後ろ!」
「
桃とベーコン
「どうぞ」
「ありが……あの、マスター。隣の人のと間違えてない?」
「いえ。それがご注文の品でございます」
「いやいやいや紅だよ紅、ワインだよこれもう。どうしたの? 富栄養化?」
「……そちらのお客様の仕業でございます」
「や、久々」
「げ」
「ちょっと。人の顔見るなり『げ』はないでしょ」
「……ちわです、オリサキさん。ご用件をお聞きします」
「さっさと済まそうとしてるわね。あたしあんたになんかした?」
「この水ワインが最新の『なんか』だよ。……一応聞くけど、何でこんな営業妨害してるのさ」
「?」
「なぜ水を赤色にしたのさ」
「ああ。水を赤くしたら飲み物全部が赤くなるわ」
「そうだね」
「そしたら屈強な男も、妖艶な女もあたしが赤くした水を飲むわ」
「妙に偏見だけど。それで」
「なんか興奮してくる」
「そういうとこだよ」
「……水だな」
「飲ませるために作ったのよ。味が変わったら意味が無い」
「けど見た目が変わったら警戒するだろ、普通」
「そのあたりの対策もバッチリよ。メニューをご覧なさい」
赤カクテル 赤かき氷 ケチャップ
「キャンペーン『レッド・マジック』。赤の製品が目白押し」
「」
「
「……一応聞くけど、なんでこんな営業妨害してるのさ」
「帰って早々に仕掛けられるとは思わなかったよ」
「
「……善悪を分離させてくれ。やっぱり悪い事で良い事が消えるわけじゃないと思うんだ」
「そうね、良い事は消えないわ。ちゃんと情報はあるし、レジュメも用意したし、スライドもある」
「どれ……うん、ここに関しては完璧だ。じゃあ先に報告を聞こう」
「急くわね。マスター、井戸水をちょうだい。それと周囲の皆を集めて」
「どうぞ」
「お赦しが出たぞ! 出会え出会え!」
「椅子並べるぞ! 並べたやつに優先権だ!」
「ちょっと明る過ぎるねぇ。カーテン閉めよ」
「お前ら早過ぎんだろ、どこに居たんだよ」
「レジュメここ置くぞー。取りたいやつから取っていけー。逆側の机にも置いたからなー」
「
「写真撮ってPDFにまとめました! データ欲しいなら共有ON!」
「開始は五分後。
だから君に感謝を贈ろうと思ってね。何がいい?」
「
「ふうん。そうね、じゃあまずプレリュード・フィズ」
「食前にベストだ。次は?」
「ナス田楽」
「合うのか? まあいいや、デザートもいいよ」
「ガーネット」
「……君、時折すこぶるニッチな情報で俺を殴ってくるよね」
「」
「
「責任はあるべき人にあるべきよ。ちゃんと『真実』を聞かせなさい」
「そうか。じゃあ、金銭と精神の被害があるわけだけど」
「金銭はプラスよ」
「何がどうなって」
「……期間限定、『ブラッド・キャンペーン』を実施しております。赤の食品が目白押し。特にデザート系の売り上げが好調です」
「
「悪い事の詳細を話さないからよ。ちゃんと『真実』を言いなさい」
「ニッチとエ」
「言わせないよ」
「まだ何も言ってないわ」
「疑問以外で言葉を繰り返すときは、ろくでもないことだ」
「繁殖に必要な情報はろくでもないコトかしら?」
「情報自体じゃなく、君がここで口に出す行為に対して言っているよ」
「行為無価値ね」
「それと大半は繁殖じゃなく快楽だ」
「
「……君の仕事、早めに終わったようで何よりだよ。それでできた貴重な時間を、こんなことに浪費してよかったのかい」
それはもうお帰りなさいましと申し上げる所存にございます故、ご用件をお聞かせ願いたく」
「
「げ」
「ちょ、人の顔見るなり『げ』はないっしょ」
「……ちわです、オリサキさん。ご用件をお聞きします」
「ねえ、さっさと済まそうとしてるよね。あたしあんたになんかした?」
「この水ワインが最新の『なんか』だよ。……一応聞くけど、何でこんな営業妨害してるのさ」
「よくぞ聞いてくれた。ほら、水を赤くしたら飲み物全部赤くなるじゃん」
「そうだね」
「そしたら屈強な男も、妖艶な女もあたしが赤くした水を飲むわけじゃん」
「妙に偏見だけど。それで」
「なんか興奮してくるよね」
「そういうとこだよ」
マスター、お勧めは?」
「そうですね。コーラ、透明コーラ、赤色、グリッター。カクテル『FmF』です」
「カクテルは格好付けすぎかな。デザートくらいにしておこう」
「そうですね。赤かき氷、黒ごまかき氷、モンブランかき氷、ブルーベリー。熱々チョコソースを加えて『へたれへなちょこ』です」
「よしわかった、カクテルは素晴らしい。何にでも合う。だから名前を元に戻してくれ」
「『ローム層』です」
「
「……キープかな。というかマスター、まさかとは思うんだけどさ」
「どうぞ。赤い井戸水、『不死川』です」
「
「……もうちょっとアイツのテンションが上がる感じに改名できるかな。今だけでいいから」
「あの方ならテンションを上げるあなたを見れば上がるのでは?」
「いや、普通に片方だけ上がってたら引かれるだけだよ」
「からの?」
「からの何さ。本人に聞けば……聞きま……聞きたくないなあ」
「ひどいわね、こいつ」
シヅキイオリの譲れぬもの
そりゃあ……エロでしょ
「恵まれた外見からあふれる学術性」
「
「ネーミングセンスどこに捨てたの」
「カクテルと合わせると『ロームFmF』です」
「沈むじゃん。……いやそういう目的じゃないよ! 単純に奢るやつ!」
「単純にネーミングセンスが壊滅してる!?」
真夏の夜の栗花
「そうですか? 主に話したところ、『名前はいい。ただ、白色が入っていないのが気に食わん』とのことでしたが」
「軽石層のことだよね! そうだよね!?」
「ですのでオプションでヨーグルトをお付けしています。ご要り用ですか」
「この流れでつけられるかぁ!」
「……ところで、妙に赤色だけ出処を隠したがってたけど。どうかしたの」
「……お気づきですか。こういうことです」
「?
これいいね。じゃあ、いいタイミングで頼むよ」
「分かりました」
「ふふふ……
ではこちら、ご注文の井戸水です」
「……はぁ。マスター、被害金額はいくらだ」
「え? ちょっと、なんであんたが払おうとしてんの。あたしの責任よ」
「こないだの契約が終わってない。君はまだ五番地所属だ」
「これはあたしの趣味だし。それに、お金で済むならそれこそ払う必要ないよ。ねーマスター」
「……期間限定、『ブラッド・キャンペーン』を実施しております。赤の食品が目白押し。特にデザート系の売り上げが好調です」
「ねっ。示談金分のリターンは出てると思わない?」
「それはそれとして、
まず、この物質は触れた生物を瞬間移動させる。
物質のどの面に出るかは、移動前の場所に置かれた物品と相関する。平たく言えば、触媒で行き先を決められるってこと。
五良木 x 姿月
五良木来店
姿月接触
-
オープニング・イメージ
- いらっしゃいませ
-
テーマの提示
- 物質の話するぜ
-
セットアップ
- 赤水
-
きっかけ
- げ
-
悩みの時
- 悩みの種、姿月
-
第一ターニング・ポイント
- 姿月片付け
-
Bストーリー
- 物質情報
-
お楽しみ
-
ミッドポイント
-
迫りくる悪い奴ら
-
全てを失って
-
心の暗闇
-
第二ターニング・ポイント
-
フィナーレ
-
ファイナル・イメージ
-
オープニング・イメージ
- 映画のトーン、タイプを決める
- いらっしゃいませ
-
テーマの提示
- 何について語るか
- 物質の話
-
セットアップ
- 興味を掴みつつ、人物紹介か仄めかし
- アイツにお礼
-
きっかけ
- 最初の禍
- 赤くね
-
悩みの時
- 旅を疑う
-
第一ターニング・ポイント
- 第二幕、テーゼの後のアンチテーゼ、主人公の選択
-
Bストーリー
- テーマの議論
-
お楽しみ
- セット・ピース、予告編に出すとこ、どんちゃん
-
ミッドポイント
- 前後半分割、危険が増し、タイマーが現れ、圧力がかかる
-
迫りくる悪い奴ら
- チーム内外の圧力
- 悪とは限らない、トラブル
-
全てを失って
- 見せかけの敗北、死の香り
- 体半分消し飛ばされる
- 見せかけの敗北、死の香り
-
心の暗闇
- 全ての希望を失くす
- 回想
- 全ての希望を失くす
-
第二ターニング・ポイント
- フレッシュなアイデア
- 新たなインスピレーション
- 土壇場の行動
- アドバイス
- 戦え
- 復活、戦闘
-
フィナーレ
- 過去の学び
- 第三の道
- 表裏のジンテーゼ
-
ファイナル・イメージ
- オープニング・イメージと対局
- 「変化」がわかる、ドラマティック
というか、責任を感じてるならさっさと戻せ」
「わ、わかったわかった。……でも、すぐに戻したら困るよ?」
「……『私が』って言うなよ?」
「マスターが」
「えっ」
「……
「これはあたしのフリーの趣味よ。あんたに影響出てるでもなし、放っておけばいいじゃない」
「水飲みたかったんだけど」
「ちゃんと水よ。味も匂いも。ただ色と抗酸化作用が付いただけ」
「お気に入りの店に経済打撃入ったけど」
「……お気持ちは嬉しいのですが、ただいまこの水を利用した『ブラッド・キャンペーン』を実施しており、好評を頂いております。ですので、すぐに戻されると困ります」
「
もうさ、理由は聞かないから報告だけして別れよう」
「はぁ。なんでここを狙ったんだよ、酒場なんていっぱいあるだろ」
「一つはあんたに飲ませようと思ったからで」
「だったら俺だけ狙えよ」
「もう一つはここのマスターが有能だから。ねーマスター」
「……期間限定、『ブラッド・キャンペーン』を実施しております。赤の食品が目白押し。特にデザート系の売り上げが好調です」
「やったっ」
「いや、
「やったっ」
「マスター……嘘だよな……?」
「依頼は出しておりません。」
ってことでマスター、どうだった? 売り上げ伸びた?」
「そちらの方の勝手な判断によるものです」
「やっぱ最悪だな」
「おかしいな、発展に貢献したのに責められてる」
「結果で全て片付くなら、五十五億年後まで全部無罪だよ」
「まあまあ、私もこんな大規模なことはそうそうやらないから。フェスだと思ってさ」
「……マスターが許すなら、俺は何も言わないけど」
「増えた売り上げ、示談金だと思ってさ」
「
「まるで私が森羅万象に興奮できるみたいじゃん」
富栄養化と申されましたが、それは遠からずです。
ベタシアニン
C24H26N2O13
井戸水を言い張れば井戸水です
マスター疲れてない?
「……用件を聞こうか」
「はーつれないなぁ。久々に会ったんだよ、もっとこう思い出語り合うとかあるじゃん」
「今の一件だけで全て思い出せる勢いだよ」
「えっ、この一つで一気に全部来たってこと? それって……なんかさ……」
「そうだね。見ないうちに君の症状は進行しているみたいだ」
「えっちだ!!!」
「クソっ話題が全然逸れない」
「成分補給したし、それじゃ用件に移ろう。ちょっと待ってね」
「水分補給みたいに言わないでくれ」
「こんな状況だしさー、癒しが欲しかったんだよー。」
「」
「マスタァ〜、つれないよぉ……」
「何なの君? また新しい性癖が生えたの?」
「人聞き悪いなー。私は生えたじゃなくて掘った派」
「そのニュアンスは個人で大切にしてほしいよ。それで? こないだの水×焼酎はもう止めたの?」
「止めるとかできないって。ほら、推しは増えても変わらず推しでしょ?」
「つまり悪化じゃないか」
「人が悪いなー」
「それが悪なら医者は極悪人だよ。一挙手一投足、全部が性的変換される身にも……案じてほしいね」
「なってほしくはないの?」
「叶わない夢を押し付ける気はないよ。そもそも、なんだって公的な場所で性癖をぶちまけてるのさ」
「私的な場所がなくなったからだけど。私だって、一人でほそぼそやってくつもりだったの。
もうさ、理由は聞かないから報告だけして別れよう」
「理由聞かないの」
「聞かないの」
「からの?」
「ノーだよ。わざわざ会いに来て、こんな派手に営業妨害して、それだけ重要な話なんだろう、なら仕方ないなって俺は納得するからさ。君はマスターに謝ってやれよ」
「もう謝ったよ」
「