・OP
October 4 . 2187 at 12:44
Down Town〔ILLYRIA〕
ベッドマン:君があの吸血鬼に仕えている事は、随分前から解っていた。
今まで放置されていた理由が知りたいかい?
失敬な物言いで悪いが、君は障害じゃあなかったのさ。
それに君には一つ役割があった。情報を送るという役割がね。
任務を完璧にこなしていると思ってたかい?
それは間違いさ。事実のわけがない。ただ泳がされていただけなんだよ。
気分を害したかな。
でもね、『近付きすぎる』可能性が出れば僕が呼ばれても仕方ない。
君は『障害』になってしまった。
脇役なんだから背伸びしちゃだめなんだよ。
役回りってのはさ弁えないとダメだよね損しちゃうよね。
怖いかい?
不幸だね不可解だね不当で不仕付、不吉、不条理極まりないから不安で不服だよね。
残念。諦めたまえ。さようなら。
僕かい?僕はしがない排除用ベッドだよ。
国民 :きゃああぁぁーーーっ!!?
み、道端で誰か死んでるぞ!!
なんでいきなり……それにしてもなんて形相だ。
どんな恐ろしいものを見たらこんな顔になるんだ……?
・3戦目終了後
October 19 . 2187 at ??:??
The Tearoom
元老院 :作戦は予定通りの口火を切った。
順調すぎるのが少し怖いけど…。
人類の長たる我ら元老院が人類の敵であるラムレザルと通じている…。
浮き足立った今の世情でそんな考えに至る者などいないさ。
我々の他に、我々とは異なる目的で動いている者の報告があった。
事を成すまでは油断するな。
・6戦目終了後
OCTOBER 21 . 2187 AT 12:12
JAPAN
ラムレザル:私は「ラムレザル=ヴァレンタイン」
これより全世界に宣戦布告する
あなた方出来損ないの人形どもは、全て根絶やしにする
未来を――
悲観しろ
・ソル戦前
October 26 . 2187 at 18:06
Nightmare Theater
ソル :ここはどこだ…? この感覚は、まるでバックヤードに近い。
ベッドマン:聞いていた通り、君はなかなか頭が回るね。
ソル :……誰だ。
ベッドマン:初めまして。僕のことはベッドマンとでも呼んでおくれ。
ソル :ふざけた名前だ。なるほど、ここはテメェの擬似的な夢の中というわけか。
それに「聞いていた通り」ってことは単独の輩じゃねぇな。バックは元老院か?
ベッドマン:フフ、面白いな君は。僕のクライアントが気に掛けるわけだ。
それはそうと、その質問だけど答えはハズレさ、当たるわけがない。
サービスするとラムレザルでもないし、大サービスすると『あの男』でもない。
はは、疑問が増えちゃったかな。二倍かい? 二乗かい? 冪乗かい?
ふふ、いや、すまない。正直僕も緊張しててね。
何せ僕が本気で戦っても君は壊れないというのだから。
でも「壊れない」って言葉は受け身な印象なのが不遜だよね。
この世の事象はすべからく始まって終わる。
でも「壊れない」はそういった「限度」という規律で成り立つ
相互互換的な価値の一切を拒絶している。
文化、文明、感情、研鑽、過去と未来、
加えて神等の価値という価値を一方的に壊しておいて何様なんだろう。
考え過ぎると考えなくなるように、
考えうることを諦めさせてしまうような圧倒的な暴力だとは思わないかい?
モラルって言葉が自殺しちゃうよ。
ところで僕は長話が嫌いだ。
ソル :……気が合うな。
・ソル戦後
ソル :チッ……互角?
ベッドマン:壊れないと、壊せないは同義ではないよ?
言葉には鮮度というものもあるからね。ふふ。
老婆心ながら当然壊れないと朽ちないも大きな差があるから気をつけてくれ。
ところで、僕の役目は終わった。
君がラムレザルと会うのは、もう少し遅いほうが都合がよかったんだ。
ソル :……何?
ベッドマン:また会うことになるよ。君は僕のクライアントが「人間」と見初めているからね。
さようなら、「背徳の炎」
ソル :ーーッ!!
・ラムレザル戦前
October 26 . 2187 at 18:06
Nightmare Theater
ラムレザル:ここは……どこ?
ベッドマン:君は少しやり過ぎた。
ラムレザル:貴方は、誰?
ベッドマン:君が逐一雑多、酸いも甘いも十把一絡げに応戦してくれると計画に綻びが出かねない。
戦いに勝つことだけが人類の戦利ではないからね。
負けないは勝つの代わりにはならない。
ラムレザル:貴方の言うことは、理解できない。
ベッドマン:君が不要になるのはもう少し後だ。
その後は自由、固有に振る舞えばいいが今はしばらく現世から姿を消しておいてくれ。
ラムレザル:貴方を不穏分子と認定。
・ラムレザル戦後
ベッドマン:殺さないさ。殺すわけがない。生かしもしないが。
君には役目があるからね。それにクライアントは君を気に入っている。
あの人は認めたがらないだろうが。
結局、本当に自由と呼べるものを有しているのは君だけなんだろうな。
さて時間だね。君は君の仕事をしたまえ。監督してあげよう。
・ED
ベッドマン:さて、いよいよ物語は進み始めた。
この星の歴史は大きな転機を迎え、天地創造以来の壮大な事変となるんだ。
聖戦や生命の蘇生など瑣末な過去として霞むほどにね。
全ての境界は撤廃され、欠損は補修され、フィクションは矯正され、
不堪を規範で是正し、不正を自由で弾圧し、不平を正義で蹂躙する。
理不尽で因循姑息な現実と決裂した「絶対確定世界」が幕を開くのさ。
問題は『あの男』だよ。
キャスティングから外れたとはいえ、舞台裏を知っているからね。
本格的な介入行動を取られれば、ご破算にもなりかねない。
そのためにも元老院、今は彼らの計画が順調に進むことを望むよ。
おっと、そろそろ移動しなければ。
僕のクライアントは人使いが荒いからね。
…ところで、家屋で買われている猫は狭い箱庭の世界で自由を奪われている。
だが、その世界しか知らない猫に不満はあるだろうか?
野放しになっている屋外の猫は生きるための戦いで日々疲弊しているかもしれない。
しかしすべての可能性を享受している。
幸福の定義は人それぞれだが、今、人の世に足りないのは『認識』だと思うんだ。
君もそうは思わないかい?