知りたいと思っているのは、お前じゃなくお前の考えだ。
「……暑ぃな」
胸襟を開き、体を屈め扇風機に晒す。僅かに冷えた空気が体を通り抜け、汗を気持ち程度に乾かす。それでさえも助かる。そう考えるほど、今日の天気は駄目だった。蒸し風呂だ。
『成程、意識が変わるとこうも感覚が異なるものか。興味深い』
「……口数が減ってんな。お前も熱にやられたか」
『精神体たる我輩の言葉は常に思考に依拠する。それが異常であるならばこうなるようだ。姿も保てぬ』
「減らず口の対策は口減らしか。理に適うな」
「……雨降らすやつがいたよな」