up:: Ultia
無力。
でもそれは桐名に土、豊穣、創成の力を渡して全国漫遊とかしてるから。あんまり力とかあると面倒なのな。
五行的に土。
五塵的に味。この点でも非戦闘員。ラーメン店巡りしてんぞあいつ。
ちなみにナカリアを作った人。人?
五虫で人。制限使い。ルールを制定する神に等しい力。
捕まったら世界が終わる「獲麟」の制限を自分の力に変えた。
ナカリアを作った理由がコレ。
オカルトを制限して純粋な科学を、人の進歩を見てみたかった……のではなく。それだったらもっと徹底的にやってる。クロはともかく、ナイフは明らかなバグだし。
自分だけでは自分の思いを表現できなかったので、自分の考えに共感する他人に手伝ってもらおうとした。つまり友だち探し。ナカリアは出会い系アプリだった……? そういうやつだけがたどり着くのが上層アルティエ。
そんなナカリアはアルティエを侵食しつつあるのだが。もうちょっとしたらアヤマの安定科学も、ビスカーニャの暴力も、クロミシロのナノマシンも、ディエルタの幻想も越えてナカリアの常識が塗り潰す。
桐名に力を渡したのもコレ。手段を決めたら目的を択ばないあいつに、選べる目的を増やした。自分がスランプになったら叩き直してもらおうとかも考えてたが、大半は純然たる善意。お古をあげるくらいの気軽さ。なお、自分自身は2年ぐらいかけて似たものを作り直している。つまり最近完成した。似て非なるらしいけど。
え? 制限してない? 違うよ、これは制限以前の最低ラインだよ。
ちなみに桐名はこの力を返すために帰還しようとしてた。結局茶ノ木が持ってくる。まあ自分の力でやるのが楽しい奴に力を渡せばそうなる。でも最初は楽しんでたので、炎駒は恨んでない。すれ違う思い、大人になってゆく僕ら。
言葉、絵、音楽、姿、プログラム、芸人、建築、工芸、彫刻、染め物、廃材アート。
自らを表現できそうなクリエイティブな事は大体こなせる。
自室はびっちり文字で埋められている。
世界を作ったというのは語弊で、ナカリアというロケットを作っただけ。下の世界にこいつを刺してみたらいっぱい人が集まった。
「ちょっ、あの、超えてみて! ほら! ここにいるから! ねえ、その、すいません……」
「戦ってください」
「分かった! 遊びでいいから! 気楽でいいから! ルール通りにやるから!」
アルティエに来たことで自分と同じであることを確信、楡名をはっ倒してでも戦おうとする。
共感探し。
私のとめどなき思いを、こんな言葉というちっぽけな箱にしか入れられぬことが何よりも悲しい!
私が好きな人間が好きな世界を作りたい!
本当に終わらないものがあるとするなら。
それはきっと誰かが作り続ける世界だ。
天下豈
世界がそんなにもつまらないのなら。
どうして世界の偽物はあんなにも心を焦がすのだ。
いつか世界の事実に到達してしまえば。
嘘は世界を塗りつぶすのだ。
理解したものは、道具になるから。
冗談はここだけにしておけ。私を信じるな。
この世界の在り方を信じるな。
事実は事物の作用だ。この世界で起きた何もかもを指す。
真実は真に実在する物だ。ただしそれを規定するのは貴様ら自身だ。
例えばここにバニラアイスがあったとする。これ自身は乳成分や砂糖や卵やバニラ香料が混ぜ合わされた物体という事実しか持たない。
だが私はここに、私が買ってきて冷凍庫に入れているという事実を付け加える。そうすると貴様にも
経験は本人にとって事実であり、他人から見た真実である。
しかし経験の中身で本人が得た感情たちは真実である。
さらに言うならば受けた傷も感覚器官を通して得た物であり、ここにおいて真実と呼べる可能性がある。
事実は物体が持つものだ。われわれ人間の意識は真実しか持ちえない。
ここに嘘が加わり、世界はさらに混迷を極めていく。
ただ事実があるだけなのに、勝手に真実に埋もれ混迷していく。
事実を見て、真実を抱き、嘘に乗せてその言葉を広める。
それが心を燃やし、事実から新たな真実を作り出す。
その積み重ねが、いつか事実にたどり着くことを願っている。
だから、我々発明家は作り続けるのだ。
それは私が通った道だと。
私のようには立ち止まるなと。
お前は別の人生を歩めと。
あるいはこの先を進めと。
事実にたどり着くために、その命を燃やせよと。
ああ、だとしても。
本当は、辿り着きたくないのだろう。
ずっと高みに昇り続けたいのだろう。
だって、作ることが、私の真実だけが映った世界を描くこと、それ自体が。
楽しいと、そう思ってしまったから。
楽しいから作った自分の世界は。
楽しいからこそ朽ちてゆくのだ。
だったら、手はある。
選べ。
飽きるか。
作り続けるか。
何が上り続けるものか。
ずっと同じところで回っているくせに。
楽しい時間はあっという間に過ぎる。年を取るほど時間は早く過ぎる。
つまり年をとればとるほど楽しくなるんだと思ってたけど、違うのか?
対策取られた! じゃあもっと強くすればいいか
知ってはいけないを創り上げた、何もかもを知った人間のために。
科学は人類を発展させる力だ。
人類同士の諍いには向いていない。
大本がネガティブだった楢名と交換し、楽観を与えた。
代わりに悲観を得た。
これは梛名も同じことを桐名にやってる。
ただ事実だけを見ていた桐名に冷静を与えた。梛名はもともと冷静と創造の二個持ってるので問題ない。