「いらっしゃいませ」
 「何やってるの妖夢」
 
 「副業です。君には才能があるって言われましたので」
 「それって理容師の才能じゃなくて、刃物を扱う才能だと思うんだけど」
 
 「ではどのコースにいたしましょうか」
 「髪の毛以外のラインナップの必要性」
 「いろいろなニーズに応えるのも大事ですので」
 「求めるニーズが狂人向けすぎる」
 「ご安心ください、どれを選んでも楼観剣でカットしますので」
 「何を安心すればよかったの?」
 「もちろん細かいところは白楼剣も使用致します」
 「首元に縄をかけられてる気分だわ」
 
 
 「……あの、何かシャーって聞こえるんですけど」
 「お客様の髪は癖が強そうですので」
 「研いでいます」
 「こんなに密接な身の危険を感じた事ない」
 「それでは絶対に動かないでくださいね」
 「頼むわよほんとに」