第四章 永遠庭
//誤字だと思う。けど、この後もずっと『庭』表記なので翻訳もこれでいく。
竹林の中、二人の少女が永遠庭へ向かっている。一人は眉間に深く皺を刻み、とても怒っているように見える。もう一人はただ、憂いたような表情だ。
道の上には一匹の妖怪も、あるいは兎も見当たらない。今日の竹林は、異常なまでに静かだ。そう、異常なのだ。
結界が弱まりつつある時、幻想郷の住民ならば感じたに違いない。
これはただごとではない。バカを除いて誰もが知っている。
その上で、客人は永遠庭にやって来た。
永遠庭は、今は数多くの兎と妖怪に囲まれる地だ。だが決してここは危険ではない。それらすべての視線は、白のチャイナドレスを着た少女のみに集中している。
その客人は繊細で洗練された顔をしていて、いわゆる古風美とはこんな少女を指すのだろう。
彼女は無表情にそこに立ち、そこの主人が出てくるのを待っていた。
彼女は気品を漂わせていて、見た者をただただ圧倒していた。
周囲で傍観する者達は声を出す勇気はなかった。まるでテレビで鍵を開ける場面になった時のように、皆が皆心音を大きく響かせながら次の事態を待っていた。
とん、とん、とん……
静まりかえった音の中、木の板を歩く音が響く。
外で客人の『監視』を任されていた鈴仙は庭内を見た。