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基本的に分化のナイフ。
汎化のナイフは伝説に残るだけでしかもつかみどころがない。その情報自体を分化されたからだが。
価値観のナイフ。
言葉でしか切れないわけでも、物質しか切れないわけでも、文章しか切り出せないわけでもない。
板で映像を切り出す奴もいるし、砕骨機で自分を磨り潰して消してる奴もいる。
黒曜石ナイフと似た扱いもできる千喜の奴はボトムアップでどんどん作っていったら何故か似てしまった魔法の産物であり、厳密に言うと黒曜石ナイフとは何の関連もない。
例えば石に削られた記憶があって、それが何万年を経て形を取ったものとかそんな解釈もあるけど本当にたまたま似ただけで関連ない。
収斂進化。元々ムカデに対抗するため・愚かであるために作られたナイフ。
失伝していたが、同じ目的をもって作成した結果再現された。
魔法を作り出すために、世界の概念を自分の価値観でバラすためのツール。石を取り除かれた代わり、漏れていく自分を埋め合わせるために何万年も人類が研ぎ澄ましミームとして受け継いだ原初の魔法。
ばらしたその後は吸収して少しずつ魔法にしていく。だからわざわざ文字なんかにして読む必要ないんだけど、千喜はそれでも読む。
汎化のナイフはムカデが落としてる糸。……はその一部であり、本体はその糸を通すための縫い針。吸収した情報を一つにまとめ上げるほか、人々そのものを繋ぎ止め人にしている。開けた穴以上に崩壊が伝播して、人が壊れてしまわないためのナイフ。
人を人と呼ぶ理由はイミテーション、つまり模倣だ。
別の言い方をするなら、現実に抗うこと、夢を見ること、理想を描くこと、嘘を吐くこと。
どっかであらゆる人を傷つける道具がこれに変化する魔法が出る。
雨ですらそうなるのでバチクソ危険。
今あるナイフはデチューン版。
本物はカスった原子から胎児の夢を引きずり出し反駁する。無機物からも取り出せる。無限の死を持って器に穴を無理矢理ブチ空けるという手法。一度食らってこれなので二度食らえば完全に器は消滅する。もはや人ではなくなる。
そうすればどうなる? 内を失えば、全てが内になる。壁のない精神病棟が完成する。うん、ド級の危険物だ。とはいえ今も魔力がぶつかり合い魔法を生み出しながら「精神にしか作用しない」ルールでギリギリ持ってるところ。誰かでなく、自分一人の魔力だけで済むようになれば、それは……
それは、ただの熱量だ。
形無き熱は、ただ何かを切るために。
巨大なナイフ、何でもできるころの人間の力
素晴らしい被検体だ。これが終わったら、お前に感想を聞いてやる。
何でもできる気分はどうだった?
……退屈だ。
そうだろうな。
何が出来ても、何を知れるわけではないからだ。
石を破壊する。
退屈を、自らが壊せるように。
退屈が、壊せるものであり続けるように。
信じるより、信じないより、確実な方法がある。
悲しみや怒りなどのネガティブな感情は生きるために役立つこともあり悪いことばかりじゃないと研究者が主張 - GIGAZINE