紫幹翠葉
弱点解説
吹き飛び
調整箇所

いつも思うんです。
書き直したほうが正確ですが、そのままのほうが面白いんじゃないかなって。

紫幹翠葉

気力スキルツリー東端の大技。殴り飛ばした相手の軌跡を幹に見立て、葉っぱ型の緑弾幕と枝状のレーザーで追撃する。
東端に位置するだけあり、単純ながらも威力と物量は折り紙付き。また、飛ばした時点で葉と枝が完璧に計算され配置されるため、回避は困難である。

――非公式蓬莱人型wiki

 ――ワンポイントッ!!

「……まだ、抗うか……!」

 この時、正面からぶつかるのは悪手! 魔力切れから、ちょっとズルして出したこの『身体強化』! 通常状態とは、似ても似つかぬ弱スキルですからして! あくまで目的の為、タイミングを取る為に全力を尽くします!

「しかし……浅い!」

 ごりごり後ろに下がってますが! それでいい! 『根性』で方位角……ロザリオを挟んで威力……『身体強化』でタイミング! 残すは一つ! 良さげなところを見極めて!

「吹き飛べ!」

 小ジャンプ……仰角!
 百瀬豊夏! |射出《テイクオフ》ッ!!

 …

 ……

 …………いや、まあその。遊んでるわけじゃないんですよ。神に古杣に魔力切れ、予想外が多すぎて敗色濃厚なのは確かですけど、遊んではいません。ちゃんと勝つこと考えてます。本当ですよ。
 というのも『紫幹翠葉』とは、殴り飛ばした相手を茶色のレーザーと葉っぱ弾幕で挟み込む大技です。

 というのも、実はこの椛さんの『紫幹翠葉』には弱点がございます。それは「殴り飛ばして追撃し倒しきる」という流れが止められないこと。具体的には、椛さんの放つ右ストレートを吹っ飛ばないように受け止めると追撃が来ずに隙が出来ます。だから無理してでも迎え撃つ必要があったんですね。無理でしたけど。
 
 まあいいんです、それはあくまでワンチャン狙いの理想論。本命は先ほど殴り飛ばしに加えた四つの調整です。

 『根性』による方位角。
 ロザリオダメージによる威力。
 『身体強化』によるタイミング。
 小ジャンプによる仰角。
 
 そう、これはもはやただの吹っ飛びではありません。この四つを合わせることで確定したのは、《《五秒以上空を飛び続ける》》ことです。あとは分かるな。

「……私は、貴様を殺す立場にいない。天狗としても、妖怪としても……私としても」

 ――五秒!
 この緑弾幕と枝レーザーの猛追撃に耐え、『空紅』で転身し一気に仕留めます! 法壁(小)!

「けれどそれは、私が本気を出さない理由にはならない」

 ……!? おっ、オイイイィィィィ!? なんで真っ先に壊れてんのお前ェェェェ!! 人間用の護り特化アイテムですよ? 妖怪の攻撃に負けてちゃ駄目なんですよ!? まだ1/3も進んでないんですけどォォォォ!!

「落ちろ」

 ちっきしょう! 法鎧珞! 退治屋の札! ロザリオ! ジェットストリーム合成! 法力で攻撃を柔らかく包み、札を貼ったロザリオでぶっ弾くシステム! これで全弾いなせば問題ありません! 今更死んでたまるか一列に並んでかかって来いやオラァ!!

 あっやべ、後ろ……ガード!
 おいおま、右下……ガード!
 舐めんな、正面……ガード!

 は? 頭上?

 …………なんてなるかよぉ! 露西亜ガード!

 想定を上回れると思うなよ! 何回試走したと思ってんだバーカバーカ! 基礎はバッチリやってるんですぅ! 特に椛さんは序盤の鬼門なんですからね! ここでリセットがかさむんでそりゃ上手くもなるってんですよ! まあ回数だけで言うなら一番最初の妖精以下ドロッなんですけどもロザリオが溶け始めちゃうのは流石に初めての経験かなぁって。

 これ死

/

 古杣は消えた。
 些細な違和感に、気づけなかったから。
 少しずつ弱る自らを、おかしいと思わなかったから。

 彼女が消えてから、椛は考え続けた。なぜ、消えなければならなかったのか。彼女のやったことが誤っていたから。確かにそうだ、それは彼女自身も認めていた。気づくのが遅かった。例えばまた場所を移し、《《初めからやり直せて》》いたのならば、消えることは無かっただろう。
 
 そうしなかった彼女は、やってきたこと全てが過ちだったのか?

「……ぁぁぁぁぁ」 

 否。椛は、彼女の正しさを知っている。
 共に考え、共に助け合い、共に生きた椛は、古杣が生涯培っていた「音」が、古杣の願いを叶えたことを知っている。
 

 その正しさは、生きている者にしか分からない。
 その正しさは、生きている者だけが証明できる。
 その正しさが、生きている者に主張する。

「ぁぁぁぁあああクソがぁあああ!!! 『ロザリオジャンプ』、『仙充籙』、『|空紅《からくれない》』!!

 ――最後に笑うのは、信じる者だ。

「くたばれ椛ィィィィ!!!」

 己が信じる道で、歩みを止めてはならない!

「――牙、ふっ!?」

 牙が交差する。その中心から光が閃き、空を切る。
 その最中にあって、彼女には――犬走椛の瞳には。
 
 光の隙間をすり抜け、腕を振りかぶる百瀬豊夏が。
 朝日を反射し、眩く輝くそのブロンドが。

 この世の何よりも、美しく焼き付いていた。



「はぁ……はぁ……」
「よし! もう少しよ!」

 そう言いながら、船が動かないように舵を支える船長。
 その後ろでは、十字架に磔にされた雛が息を切らせている。

「やるな。見直したぞ、厄神」
「……そうね……私の力は、厄の力だし。これくらいは、できるのね……」

 青く輝く薙刀を支えに、悠然と立つこころ。
 彼女が見渡すでは、水木群生地の出口が朝日を反射し、燦然と輝いていた。
 

「とんでも……ないわね。荒魂信仰が生まれるのも、頷けるわ」

 そこへ一輪と雲山が、十字架の刺さった船室に上ってくる。
 雛は必死に左右に首を振っている。

「おおう、一輪? もう平気なのか」
「大体はね。豊夏の方を見て、それから前に出るつもりよ」
「そうか。まあ、こうなればしばらく水蜜の十八番だ。……急がなくていいぞ」
「もちろん」

 

 焦った様子
 髪に反射する光

「すごい……! 外への道が、一瞬で! あのっ! 先輩って、呼んでもいいですか!」
「やめて。たぶんこれ、今日一日だけだから。昨日、やたらと濃い厄を回収したのよ。きっとそのせいだから」

「濃い厄? 無縁塚にでも寄ったのか」
「それが違うのよ。私が行ったのは……って、その前に下ろしてよ」
「今は人手が要る時期だ」
「……何かできるなら、逃げたりしないわよ。頼むわ」

紫幹翠葉

顎狙いの頭突き



 はっ、はっぱ!! 葉っぱどこ!! やばい死ぬ! センチがミリになる! あれだけ頑張ったんじゃ今更死にとうない! ハッパ! ハッパ!! あったぁ!!

 っ……

 …

 ……
 
 …………
 
 
 ……ふう。落ち着きました。ええもうイチコロです、何も焦ることは無い。深呼吸一つ、いやもう一つ。落ち着いて、やるべきことを思い出しては手を動かします。
 
 本当に、本当に死ぬかと思った……。ロザリオ挟んで弾蹴って、反作用貰って弾幕に突っ込んで、仙充籙で耐えて空紅の制御と判定で避けて……そんな決死の覚悟も全部、隙があると思ってたからなんですよ……? あそこから攻撃されるとか想定してませんて……。よく知ってるスペルカードだから光裂の筋を読み切ってなんとかなりましたが、単純に膝蹴りとかされたら普通に入ってリセットでした。仙充籙は所詮店売り品ですからね、三種類以降のダメージは素通しします。

 ……店売り品ですけど、あればすっごい安心するんですよね……いけないいけない。ないものねだりは良くないです。とりあえず、被害を数えましょう。

 えー、法壁全壊、法鎧珞全壊、仙充籙半壊、札全焼失、蹴っ飛ばしたロザリオ紛失。最後はもういいんですけどね、見つかったとしても溶けて半壊してますし。鉤括弧を信仰する宗教とかあったらワンチャンあったかもしれません。これからの主なダメージソースはあの霊力相手に非力な変哲ナイフになります。
 
 また、葉っぱを使ったので『空紅』が消滅しました。体力の例えが分かりやすいんですが、葉っぱが回復するものって基本的に減った物だけなんですよ。増えた物はそのままです。で、普通は覚えたスキルってもちろん増えた物に分類されるんですが、この『空紅』に関しては何でか減る物扱いなのです。当たり判定が小さくなるという副作用が怪しいとされてますが真相は不明。だから葉っぱで元に戻っちゃうわけですね。
 
 それともう一つ可能性として、陰陽玉が無くなるかもです。川の所定の位置にセットしたあいつですね。うまくいけばセットした場所で「仕事」をさせた後に拾えますしそのつもりですが、それは「仕事」の後の陰陽玉がどれだけ操作を受け付けてくれるかにかかってます。正直叩きつけたせいでその仕事すら出来るか怪しいのに、帰ってくるかと問われたら絶望的です。無くなったとみていいでしょう。
 

 で。

 これらの被害を与えたのは全部、そこで横たわっている白狼天狗一匹なんですよね。

 ……ええ、はい。被害は数え終わりました。次の仕込みをしなければなりません。

飽きたわけではないんですが、やたらと話が大きくなって制御回収できなくなるということを何度も繰り返しています。

空紅は後で取る予定だったからいい
陰陽玉とは霊の糸でつながっている、これを

今更The Grimoire of Usamiの記述に気が付きました。
えっ、椛怖っ……