「それならどうして 私の妹を殺したのかしら？」
「お前は私の妹を手に掛けたのよ。薄汚れた姉妹殺しさん」
「必殺技を最初から使わないのって……」
「やっぱり、『面白くないから』なんでしょうね。」
「夢と現実が曖昧になっているそうね」
「あらゆるものが置き換わって……
元に戻って……
消え去って……」
「そして突然、全てが始まりに戻る」
「ふふ……」
「それってあなたのせいだったのね」
「あなたには理解できないのでしょう」
「ある日突然、なんの前触れもなく……」
「何もかもがキャンセルされる……
それを知りながら生きていく気持ちなんて」
「私はとっくに諦めた」
「地上に戻りたいなんて、思うこともなくなった」
「だって、もし結界を修復したところで……」
「すぐにまたここへ戻されるのでしょう？記憶も消されて。」
「正直言って……」
「今じゃ、何をする気にもなれやしない」
「……これも、私が動かないために作った理由かもしれないけれどね」
「私だってよく知らないわ」
「でも、このあとに何が起きるのかわかっているのなら……」
「もう、何もせずに見ていられはしないってこと。」
「あなたと同じね」
「それにしても……」
「ほんと、あなたってば撃つのが大好きなのね」
「……ねえ」
「私には見えてるわ」
「あなたにはまだ良心がある」
「正しいことをしようとしたニンゲンの心がね」
「あなた、覚えているんでしょう？」
「だから、こんなことはもうやめましょう。」
「その武器を下ろしてくれるのなら……」
「私の仕事も、とっても楽になる」
「……ま、一応言ってみただけよ」
「変わる気がないなら容赦はしないわ」
「実はね、私あなたと友達になろうとしてたのよ」
「結末がキャンセルされるのは、誰かが不満を感じてるせいかもしれない……ってね。」
「どうしたら不満が解消されるのかはわからないけど……」
「おいしいご飯とか、気の利いた冗談とか、素敵な友達の一人でもあればいいのかしら、って思ったの。」
「……そんなわけないでしょう？」
「そう、あなたは何をしたって絶対に満足なんてしないのにね。」
「何度も何度も結末で止めて……」
「そして、最後は……」
「……」
「……ねえ」
「これだけは言っておくわ」
「あなたもいつか……」
「『やめる』選択に行き着くのよ」
「そして……今日がその時」
「そろそろ……私も、疲れて……きたわ」
「だから、これ以上あなたがやるのなら……」
「私は『ファイナルスペル』を使わなきゃいけないわね」
「ええ、私の『ファイナルスペル』よ。……どうしたの？不思議そうな顔して」
「覚悟しなさいな」
「この攻撃の次に撃ってあげるから」
「はぁ……仕方ないわ」
「じゃ、行くわよ。」
「この攻撃を避けきったら、私の『ファイナルスペル』を発動させるからね」
「……はぁ……はぁ……」
「行くわよ、想起……」
「……」
「いや。」
「ちょっと待ちなさい。」
「――あなた、知ってるわね？ このあとどうなるか。」
「私が眠った隙に、枠を動かす、ですって？」
「そんなことさせるわけないでしょう」
*目に囲まれる。
「一歩でも動けば……その瞬間、撃つわ。」
「私が眠ってたって、これは動く……」
*さとりが眠る。
*Cメニューを開く。
*あなたは、テレポートをつか
「おっと、見逃すとでも思っ……」
*ショートカット。
*画面に、菫子の姿が映る。
*テリヴルスーヴニールがさとりのソウルを貫く。
「……」
「…」
「……ふふ」
「私、止めたわよ」
「……じゃあ……」
「夜雀庵でもいこうかな」
*カメラ振れる。
*半透明なこいしが笑顔で立っている。
「こいし、あなたも お腹すいたでしょ？」
*視界全て消滅。