up:: Component

あたしはあんたの英雄像が好きだった。
あんたの解釈が好きだったのさ。
あたしが愛してんのは、英雄を生み出す機械としての、
あんたの単なる一側面だけだ。

英雄ができないなら捨てちまうさ。
あたしは、人間皆がまた元に戻れるだなんて思っちゃいないし、戻るより新しいもん作ったほうがずっと楽しいことだって知ってる。

だからあんたが戻れるとすれば、あたしが見ようとしなかった側面だ。
どうせ他と同じだと思って無視してた、期待も抱かなかったその側面だ。

都合がいいだろう。都合がいいなら、どんなにいいか。
なあ、望ませてくれよ。

あんたは立ち上がれるのかい。