up:: Knock-off

偽物なんだよ、偽物なんだ。
つまり本物が間違いなくあるんだ。
本物を捨てたくない。
偽物で膨らませた世界に、本物を流し込んでいく。
この工法を、いつまでも受け継いでいきたいんだ。
もしも間違えば。
偽物が世界を支配したら。
僕たちがそれに慣れてしまったら。
受け入れてしまったのならば。
ああ、きっと本物は正常で清浄な場所になるんだろうね。
誰も目もくれないけれど。