「先輩なら問題ないっすよ! ささ、どーぞやっちゃってください!」
 人類嫌いのカタストロフィリア。人と『話す』のが極限に嫌いなので、下っ端の演技で誤魔化している。その上で人を殺そうとする。人がいなくなれば話す必要もなくなる理論。できれば人まるごと全て殺したいのだが、発明力が足りない。人類液状化計画なんかを立てては普通に失敗する。いや、抹殺には足りないだけで相当高い方ではあるのだが。
 平穏を愛する。それゆえ誰かを殺しても絶対に騒ぎにはしない。こんなんだから大惨事になったりするんだよ。主に五良木君が抑えてるから今は罪人が年一人で済んでる。都市に入れられる前は……
 話すのが嫌いなので、口のない死人たちには優しいどころか敬意を表している。墓磨きはもはや趣味。死んでくれてありがとうの敬意。僕が殺そうとして、ちゃんと死んでくれる。世界は親切で満ち溢れている。
 二条のサイバネティックスにより人が生まれる過程の記憶が飛んでいる。放っとくと産婦人科を潰しかねない。
 なお、自分が人にされて嫌なことはしていない。殺したがりの殺されたがり、もう終わってるなこいつ。

 どれだけ遡っても、殺しと無縁の時期はない。
 例えば誰かを助けたかったとか、
 例えば世界を護りたかったとか、
 例えば何かの復讐のためだとか、
 たとえば愛を貰えなかったから殺しを求めたとか、
 たとえば成果を求められすぎて鬱憤を晴らしたとか、
 たとえば殺ししかコミュニケーションを知らなかったとか、
 たとえば死んだらどうなるか知りたかったとか、
 たとえば事故で死んだ人間を見て快感を覚えたとか、
 たとえば痴情のもつれだとか、
 たとえば金のために殺したとか、
 たとえば生きるために殺すしかなかったとか、
 そんなものは全く無い。始まりもなく始まる。息を吸うのと同じ、当然のこと。生まれついての悪人だし、そういうもの。人と話すのが嫌い、なんてことすらも嘘。ほんとうにただ接する過程でふと殺そうってなる。平常の対応は結構いい奴ではある。

絶対にたどり着かない。誰もが納得する答えなんて見つかるはずが無いんだ。
だからここに居る。探し続ける。誰かの答えを壊してでも、僕はこの場所を肯定するんだ。
僕の見つけた答えを。
下らない。答えはここにある。
証明はあらゆる人間を納得させる行為だ。これを科学として心に刻んだのは他ならぬ私たちだ。
お前の曖昧な世界に、首を掴まれる理由は一つたりとてない。
永遠に変わり続けろ。
永遠に揺るがぬ明かりだとも。
遥か遠くの答えに手を伸ばす。
閉じた世界を貫き繋げる。

Why? - なぜ?
それが私の望みだから。
世界一かっこいい5W3H
証明と曖昧、ただそこにある世界と私の思う私の世界
自立した私の世界、どこかに寄生する私の世界
依存はしてないから
利他心は知ることから

いくら証明しても、いつかそれが壊されるかもしれない。
それが怖いからやってるんじゃない。壊れたのかどうか知るために証明はなされる。
いつだって知るためだ。
知らないことを知ったふりするためじゃない。