『いーらっしゃい! お近づきの印だ。はい、セーブファイル』
思想収集家。考え方そのものをアーカイブし、次世代に継いでいくことを生業にしている。その名もセーブファイル。でも生計が成り立つのはアーカイブ途中の手法ばかりでアーカイブそのものはどうも評判が悪い。なーんで? だってポータブル化とか一番求めてたものだし。
- まずその人の生活に関わったものを集めます
- 対象を絞るためにそれら物体をすべて一つの物体としてまとめます
- その一つに対して分解を行い、生物が触ったと思われる箇所を抜き出します
- 事前に用意したその人の絞り込み用情報(思想でも何でもいいけど)をもとに、絞り込みをかけます
- 残った情報から細胞記憶を蘇らせます
- 念の為全ての記憶内で「名前」を検索して、ヒットしなければ消しておきます
- あとは年代別にソートかけてそのままセーブします
もともと分解は土の発案。水の仕事は溶解してまぜこぜにすることだったけれど、逆ができたらいくらでも溶解できるということに気がついて学んだ。エントロピーを低減!
ただし本業じゃないので、一つしか分解することができない欠陥機械が完成する。それなら物体を一つにまとめればいいじゃないかという変態発想。自分の得意分野なので本人的にはそれほど不思議じゃない。
よってまとめる技術には水の溶解力がかかっており、角橋自身も説明不能。……だったのだが、リコンパイルから解析され、作ってなかったはずの圧縮技術や解凍技術までついて巷に出回った。人間やべーって。なお解凍技術を作ったのは十原。このつながりで角端は十原を慕っている。何故かセナーがドン引いてた。
ちなみに仮説を立てたのはアヤマに技術を売っぱらった獄中の人(モルセン・エイルシー)で、理論体系化したのはツァヌカイ・ヴラプセンと系音繰と此山瀬世。
分解は土、まとめは水、圧縮は金、細胞記憶の再生は木。いつか圧縮したものをコピーできたらそれは火の仕業。
なお溶解時の物体は二度と帰ってこない。それをわかってる上層部は写本しか渡してない。せめて成功してからにしてくれとのお達し。
本来このセーブファイルは人の脳に直接展開するもの。そして予想できるが、このファイルはまだロードが成功してない。ロードできる日に備えて(息抜きに)性知識0化パッチとか作ってるけどロードできない。まあそこはもう水の量分じゃない趣味だし。なのでアーカイブを使うなら次世代に継ぐためと脳内で展開するために超々々圧縮されたデータファイルをわざわざ十月十日かけて一つ数千GB、改行ゼロのテキストファイル群に解凍しなければ使えない。そら評判悪いよ。唯一の救いは一部解凍が出来ること。一部圧縮できないと追記できないし、それなら一部解凍も当然出来る。
なお無圧縮ファイルをどっかに保存しといてくれよという願いは圧縮がだるいのと冗長性の確保のために一蹴された。
言葉を交わすと自分の思想が汚れると、黒いナノマシンを空にばらまき文字を形作って喋る。ちなみにこの言葉も元から用意している定型文。自分が用意した定型文という意味であって、よくある言葉の組み合わせではない。
仮にそれでもできない訳ではない。やろうと思えば『はい』『いいえ』『ありがとう』『すみません』だけで一日過ごせる。
戦闘能力はほぼ皆無。ナノマシンを固めてナイフぐらいは作れるが、それ以外には壁を作れるくらい。ただし継戦能力はなかなか。手足をナノマシンに埋めて強制的に動かせばしばらく避けられる。血管内にナノマシンを撃ち込めば普通の人間は一撃必殺だが、いかんせんここ中層なんで。白血球改造とかする人も居ますし。
まあ実際は人体80%水なんで自分を操ればぐんぐん動かせるんだけど。
やたらと言葉について明るいのは原作再現。他にも一日で一万八千里走れたり、チンギスカンに会ってたり。あの、一日一万八千って不眠不休で時速3000km弱なんですけど……マッハ2.4くらいなんですけど……地球1.8周……あ、あれだよ! まだ成長しきってないってあれ!
ちなみに原作再現し切るとそもそも麒麟じゃなくなる。
走るために体重は軽め。
ファンタジックマンティックパーカーにひとくくりのポニテと目隠れに加えての帽子、首が手折れそうな位細い。
五行的に水。流れを読む力とか。最終的に素粒子。より細かな流体を操ろうとして。
五塵的に声。聴くだけ聞いて理解してアーカイブ。そしてくっちゃべる。
五虫で介。一人だけわかりづらいが、亀とか甲殻類とか。だから本来防御特化。嘘だ!
もう名前からバレバレだが、高目の関係者で高層出身。麒麟児だから落とされちまったぜとからから笑う。
思想が汚れると自分の進む道が分からなくなる。だったらどんなときでも過去の自分を思い出し続ければいい。その発想で常に過去の言葉を使い続ける。
この不変性を理由に高目にボコられたこともあるが、全部いなしている。水に金は力を増すだけなので。なお土が入ったことで最近はちょっと押されてたりするが、それでもなお負けない。だって使いこなしてないし……むしろ土虚水侮で突破口できたし……
「ヒュエィッ! 危ないなっ!」
職業は記憶開発。ナノマシンは生きるため。能力は水。
昔、ラヴィッカにとっ捕まって実験台にされ、目を肉で埋められた。誤解されやすいが、性器が無いのは元からそういう種族。
ラヴィッカの目的は脳を取り出したときに直接視野を感受させるための研究。一旦機械を通すことで研究しやすいようにしようとしていた。なのではじめはナノマシンではなく三本足で歩くウェブカメラ。
それに基づいて何十人か試したが、生き残ったのは角端一人。水の一、受け入れて溶解して自分の物にする。まだこれに懲りてなかった頃。
……ただ、実はこれ水の力。ナノマシンの目に当たる部分に水を満たし、それを通してみてる。本体も液体操作で制御してる。五感共有フラグ。自分の力にするとなれば、自分に一番都合のいい方法になる。
つまりラヴィッカの求めてたものと微妙に違う結果。これではデータが取れない。
一体何がまずったのかと、ラヴィッカは原因究明を始める。貴重な失敗例だから逆に殺せない。角端はそれに協力した。水のせいだという自覚が無かった。原因を、知りたかった。
だが、いつしか角端は気づく。それは自分のせいであると。それに意味などない、そういうものだったのだと。科学にはどうすることもできない現象だったのだと。
それをラヴィッカに言い出すかどうか迷ってたら、艇教の襲撃イベントが発生。角端は助け出された。ラヴィッカは処刑された。もう、伝えることは出来なかった。
これで懲りた。
そんな背景に対して、かるーく直しちゃう。
クロミシロは液体操作部分を科学力で代用して動かしてる。バケモンだ。その関係上プレイヤーにしか扱えず、NPCが使うには専用の装置がいるって装置あったらできるのも大概だろ。ラヴィッカのデータ流れてる説出た。
ああ――私は、間違ってたんだ。
あの人たちは、正しかったんだ。
目をそらすためとかじゃなく心の底から人生を楽しめる。何だこいつ。光が強いと陰が強まるあの現象。
視力を失った代わりにナノマシンから送られる情報を脳に直接処理させている。
一人だけ性別不明。紫一点。一人称は不定。
それは徹底していて性器がない。ついでにいうと穴もない。なぜなら完全消化するから。
ランダマー。主人公になるなら賽を振れ。
Merge。
人によってタイムラインを持たせるか……?
紐、粒、水、空間
ジャンプから突っ込んで熱で全てを溶かす、微妙に角端っぽいこともしてる。
魔法とは、未だ解明されていない科学だ。