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賠償金を加害者が払うっての、とっても不思議じゃない?
加害者に金を払わせたところでさ、改心しましたってなるわけじゃないし。
被害者の家族も金を貰ったところで、あああの子の価値が補償された、これで彼女も浮かばれる、なんてそんな考えするわけ無いでしょ?
あの子は何物にも代えられないんだから。
だから、この金はお前のものさ。
お前にはこの金を、十倍以上に増やしてもらう。
お前の今までの価値なんかで支払わせるかよ。
あの子の未来を奪ったんだ、それなら私は同じように、お前の未来を奪ってやる。
無敵の人間。
いや、無戦の人間。
私はお前を、責任で縛る。
私は信頼したんだよ?
無敵の人間だったのは、昨日までの話じゃないか。
あの子を殺したとき、君には多くの責務が降って湧いてきた。
それを「知らない」からこそ、恐怖しなかったんだ。
そして君は決断できた。
あの子を殺すという、最も大きな決断を。
「知らない」からこそできたんだ。
殺すのだって、簡単にできることじゃない。
人間は思ってるよりも生きるものだ。
でも、君はそれを殺してみせた。
「知らない」恐怖に怯えない。だって君は、失うものが無かったからだ。
何に執着しても失ってしまう。
それなら何にも執着しない。
誰かを殺すことで、自分の心も評判も命も失っても。
初めから執着しなければ関係ないから。
自信が付いたろ? 君には、何かを為す力があるんだって。
今、君は途方も無さに暮れている。
- 失うものがない
- だから恐怖に怯えない
- 決断して、行動して、責任を得た
- そこから死で逃れようとしている
- 失うものがないというのは嘘。時間がある
- 時間=命を支払うことになるが、それに執着がない
- だって成功体験がないし
- 決断して成功したなら、執着する
- 殺せたなら、決断かつ成功では?
- その人の成功は死刑で命を支払うところまで
- 本当に命を支払うなら、自殺でも良い
- 何故わざわざ人殺しをした?
- 自分で命を支払う決断ができなかった
- けれど人は殺せた
- マイナスを見なかったから
- マイナスを見ないことと、マイナスをプラスに変えてみることで見える世界は同じ
- 後者はより世界に貢献する
制限する。
手の届かぬ、解決法の分からぬ問題。
それを今は、覆い隠す。