世界を作るのは、
上は大火事、下も大火事、中は大カジノなRTA、はじめるよー。
路面電車で目覚めたら運転手に話しかけ、お礼を言って窓を開けて外にダイブします。止めようとする親切なおっちゃんは格ゲーのチート投げキャラ並みの判定を持っているのでしっかり避けて石畳に着地。鞄にも判定があるのでちゃんと押さえながら跳ぶのがポイントです。ではそのまま線路を駆けて霧の中に突っ込みましょう。電車無しだとそこそこ長いのでこの間にレギュ紹介。
今回のレギュはもっともオーソドックス、『Any%』です。時間さえ早ければ何をしても構わないってやつですね。そしてクリア条件は『麒麟樫名にとどめの一撃が入った瞬間』となっております。残りは映画パートなんでタイムに関係ありません。感想を言う時間が長いのはありがたいですね、言いたいコトいっぱいあるんで。
さて、この辺ですね。これ以上先に踏み入ると霧判定に引っかかり、気づけば電車近くに戻されてしまいます。なのでここで進路変更、線路に対して直角に曲がります。1゜でもズレればリセットなので慎重にセットアップ。全然慎重に見えないのはそういうことです。
霧に隠れているのとサイズ感で分かりにくいですが、今いる場所は谷を跨いでかかる超巨大な石造りの橋の上です。なのでこのまま進めば欄干が見えてきて、それを越えれば谷底に落ちることが出来ます。お、見えてきましたね。欄干というより高速道路の遮音壁ですが目的は落下防止なので欄干です。これを越えるのがこのRTA第一の壁となっております。
鞄の肩紐を最大まで伸ばし、片側だけ繋げ直します。壁上の出っ張りに向けて鞄を投擲し、引っかかったら結び目を作ります。戻ってきた鞄の方を引いて結び目を出っ張り側へと慎重に送っていき、しっかり括りつけます。
『A long belt』。外した肩紐を鞄のジッパーに沿わせてからジッパーを開け閉めすると、何故かどんどん伸びていきます。この伸びは肩紐の元の長さ、ジッパーの錆び率などで限界が決まります。要はバッグを使いこめば使い込むほどあまり伸びなくなるってことです。
ゲーム開始直後の鞄はあまり伸びないほうなんですが、それでも限界まで伸ばすとこの通り。最序盤にして壁上まで到達できました。汎用性の高さが伺える技ですが本RTAではここが最後の出番です。だって仕込みが大変なんだもの。
さて壁上に来ましたが、だからといって判定の外に出たわけではありません。未だ一歩でも横に行けばいつでも電車に帰れる状態です。なので前に進みましょう。
ある程度進んだら反転、後ろ歩きに切り替えます。足が滑って落ち始めたらタイミングを計って橋桁の端っこを掴みます。命がけの握力測定。だからといって判定の外に出たわけではありません、指を離して今度はもう一段下、橋桁の横の装飾を掴みます。最初からここ掴めたら早いんですけどね。つかめる判定がシビアなので速度を一度落としました。
そのまま少し横に進んでからよじ登り、再び戻ると……
『空想実現都市 ナカリア』
霧が晴れ、街が見えると同時にOPが始まります。黄色い提灯が並んだ商店街。半透明の板が浮かんだ階段。壁に一体化したクソデカ歯車。公園に並ぶ赤色の鉄塔とその中の垂直農園。だらっと垂れたコードを生やした時計が真ん中にくっついてる白い門。とんがったボイラーが刺さってる湯屋。昭和とSFとスチームパンクが混ぜこぜなこの街の全貌が一目でわかるカメラワークにケルト音楽。有り得た未来と有り得る未来の文化が過去を元に音楽で纏められる感じがあぁ~たまらねぇぜ。
一方いまだ私は橋の下にいるので、門番が地面に向かって手を振ってたりしますがそんなの些細な差です。むしろ街が見える面積が広がったと考えれば最高じゃございませんか。そうに違いない。
しかしいつまでも橋の下に居られるわけではありません。経年劣化でも再現されてるのか、ここは長くいるとボロボロ崩れて落ちます。そうなる前に急いで街の入り口真下まで移動しましょう。えっほ、えっほ。
入り口真下はちょっとした空間になっています。木椅子とテーブルと清掃兼注文用アンドロイドと行く手を阻む防弾断熱落下防止ガラスがあります。ここでととんととん鳴る路面電車を聞きながら優雅なコーヒーブレイクが取れるわけですね行きてえな。
ガラス清掃員用の入り口から中へ。まだ早朝ですので充電中のアンドロイドは放置。右から二つ目のテーブル、青い椅子の下を調べてアイテム「禁書庫の鍵(落とし物)」を手に入れたら再度外に出ます。さて、あとは街の壁をロッククライムして橋上に帰るだけですね。鞄を開けて緊急用と書かれた箱を開け、中の石を取り出してかち割ります。
「呼ばれて飛び出て……えっ、ここどこ? 人工物……?」
チャタ君オッスオッス。
「まあいいや。私はチャタ、開いたということは緊急事態。シンプルに願いをどうぞ」
「お任せください! 短距離テレポート!」
「ふにゃふ〜。これ、めっちゃ疲れるんです……五日は起こさないでくださ〜い」
安心したまえ、これからめちゃくちゃ呼ぶぞ。五日と言いつつ実際は五時間でリチャージ終わらす奴が悪い。
さて橋上に戻ったので、ようやくストーリーが進められます。まずは手を振ってた門番に挨拶します。一応カットできるんですけど、素直に話を聞くほうがまだ早いのでここはそのまま。
「やあ、こんにちは。ずいぶん急いでいるところ済まないね。今はこの都市に入らない方がいい」
普段とちょっとセリフが違いますが、これは門番のセリフがIGTを参照して変化するためです。ここまでで二分切ってるとこのセリフになります。普通にやってると十分はかかるんですけど何で用意されてるんだ……?
「発明家の一人がやらかしてね。都市中を蛇が彷徨いているんだ。おかげで久々に掃除屋を呼んだよ」
「幸い君は来たばかりだ、都市内に失って困るものはないだろう。落ち着くまで一緒に待たないか」
待つわけないので踏み入ります。
「……そうか。ならこれを渡しておくよ」
ここで貰えるのはリアルタイムマップ。上空に打ち上げた観測気球から都市の全体マップを見せてくれる代物です。とはいえここでもらえるものは一時間を過ぎるとプライバシー保護のために爆砕するので、忘れずに後で永続化しましょう。
「リアルタイムマップ。衛星軌道から都市の状況をリアルタイムで見るものだ。それで蛇の位置を見て、できるだけ接触しないようにしてくれ。長くはもたないから気をつけて」
嘘の混じった紹介はさっさと流して。
「では、吉報を待っているよ。いってらっしゃい」
祝詞を背にクラウチングスタートで走り出します。
だって、どうにもならなくなった貴方の為だもの。
スチームパンク+熱交換技術