トラックに轢かれた。
ナンバープレートに引っついた自分の体が、トラックの静止に合わせポロッと落ちる。トラックは俺が落ちたのを確認するなり、右腕をさらに轢き潰しつつどこかに逃げていった。そんな後ろ姿を見てトラックだって分かったわけだが、死ぬ間際にそんな使えない情報残して行かないでほしい。
それにしても、俺の人生はここで終わるのか。思考を残してるとか、形を残してるとか、俺は結構頑丈だったのかとか、そんなとりとめのない言葉が回るばかりで、頭の中には一切走馬灯が流れてこない。常日頃から物事がうまく行かなかったが、なるほど自分の頭は諦めが早かったからなんだなと人生最後の責任転嫁を行う。