低層で広がる宗教、艇教。一般教義は「ナカリアを極楽行きの船として崇める」。彼らによればナカリアはもともとここに降り立った異世界船らしい。今はその上に街が出来て、船としての機能は封印されてしまったとか。だがいずれ来たるべき時、ナカリアは船の姿を取り戻し皆を極楽浄土に導くそうで。だから彼らは一日の始まりにナカリア中心部に向けて祈りを捧げる。
 そして艇教の最終目標は、その来たるべき時の船の操舵手になること。操舵手になるためには最低でも体の部位ごとにつけられる称号、星を六つ揃えなければならない。というか両手両足体頭で六だからフルしか認められない。
 称号の判断基準は一番最初の船の操舵手にどれだけ似ているか。イエス・キリストに近づこうとする感じ。
 ただ、今となってはそんな教義も薄れ、今では星は健康診断の最大ランクぐらいにしか考えられてない。あまつさえ星をもっと医者的に解釈した、六符なんて称号が生まれる始末。それはむしろ住み分けできたからいいのだけど。
 六角星也は六星を揃えたここ千年で唯一の存在。熱心な艇教信者ほど六角を敬う。人によっては暴走する。

 転生者を探している。死後の世界が知りたくて。

 浄土から落ちてきた高目のことは、浄土もシビアな世界だな程度にしか思ってない。こいつらもやっぱり発明家だった。