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行動をこなさないと全てロールバック
たまに思い出すためのタイムカプセル

まずは物語として
何かを忘れている主人公、それをこなさなければ死ぬ
退屈で単純な作業、けれど膨大で普通には出来ない
後ろから噴き出す熱湯
一度目は考えても間に合わず、周回を次に生かす情報収集に当てる
二度目、全力でやった何かが全て無に帰った空虚感
持っていけるのは記憶だけ、どれだけ書きつけても不可能
記憶があるからむしろ苦しむ
三度目、どうせなにをしても無駄と感じる
諦めと妥協でクリアすることは許されない、一年の老い
将来の不安へのダイレクトアタック
それでも何かをすることを止められない、暇つぶし
四度目、パターンが見えてくる
複製物を作る、何がどうなっているかモデル化
小さい部品ばかりが出来て終わる
五度目、モデル化
小さい部品の組み合わせ方で悩む
六度目、モデル化
大きな方を考える、そもそも何をさせたいか
七度目、モデル化
大きなものに合わせ、小さな部品をパズルとして合わせる
小さな部品の作成スピード上げ
八度目、モデル化
大体完成、高速化を試みるが外の情報が無く失敗
九度目、散策
熱湯を効率よく注ぐとは
この痛みだけが新鮮で、明日へ進む力になる。
十度目、高速化
成功、このままクリアできる

時間を決めること、成果を形にすること、
何であっても明日に向かおうとすること。

どれも、私に無かった。
今までの悪意で、得をしたのは――

十一度目、熱湯パイプの逆行
いつだってクリアできる。いつだって終わらせられる。
そんな確信を、逃げ道にして。

どうせ死ぬ。どうせ消える。
その諦めが、今だけは信頼と呼べた。

逃げているつもりなんて、一つもなかった。
私は、何も変われていない。

だからここにいる。
いや、ここにいた。

繰り返すことは怖かった。
けれどそれ以上に、私は心地よかった。
使い慣れたツールと、また出会うように。

私らしく生きる。
それはたった17年であっても、変えられなくなった常識だった。

殺して、殺して、殺して、殺して、
ただそれだけで満たされた、私でない私に託したかった。
どうか何かを願ってほしい。ただそれだけを見て、飛んでいってほしい。
貴方の未来など見えないままであれ。こんな、未来など。

あるいは私が、しまうことを

外には出られた。これを何でもない、ひと時の夢としてしまえた。
けれど気になってしまえば、それが出来ると知ってしまったなら。
自分は行くしかない。たとえ、目的を形を結果を終わりを――約束を違えても。

……大事な時でも、そればかり。
だから、何にもなれなかったのだ。